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日常 ページ27

『待って…ッてばッッ!!』






ある晴れた日常の中、ボクはスラム街を駆け回っていた。





この辺りに住んでいる人達の簡素な家の屋根を飛び回ったり、塀を駆け上がったり、人混みの中を猛スピードで走り回ったり。





もうかれこれ三十分はこんなことをしている。






そもそもボクが何のためにこんなに駆け回っているかと云うと………









「ニャー」





追いついたと思ったら軽い身のこなしでまた距離をあける、一匹の猫。






真っ白な体に、首元の赤いリボン。




『ハァ…ハァ…あの子で間違いないのに…』




ポケットから一枚の写真を取り出して、少し離れたところで座っている猫と見比べる。





というのも、今回依頼人は横浜市内で和菓子屋を営むお婆さんからで、ボクもよくその和菓子屋さんでお菓子を買う。



そのためお婆さんからの依頼はよく受ける。(殆ど屋根の修理とか買出しとかだけど…)




そんなわけで今日も依頼の電話を受けて和菓子屋さんに足を運んだところ




「うちの飼い猫が何日も帰ってきてなくてねぇ…。

今まで一人と一匹でお店を営んできたから、急に居なくなっちゃうと、どうも寂しくて……。


Aくん、お願いしてもいい?」



と云われ、写真を渡された。




いつもお世話になってるので二つ返事で依頼を受けた。





探すのは難しくなかった。




いつも横浜市内の影に潜んで情報を見たり聞いたりしてくれているボクの異能の動物達。


彼らに命令して片っ端から目撃情報を集めて貰った。




〔Aちゃん、スラム街の川辺に居たよ〕




スラム街の影に潜んでいた鼠から告げられたのはすぐだった。




ボクはスラム街までひとっ走りして鼠に云われた川辺に向かった。




確かに目当ての猫はそこに居てゆっくり近づいて捕まえようとしたところで、ピュッと逃げられてしまった。




その後何度も追いかけながら、捕まえようとしては逃げられの繰り返しで、冒頭に至る。





『このっ!』




大きく跳躍して猫の目の前に飛び降りるが、その瞬間に後ろに跳ね上がって塀の上へ逃げる猫。





『あ〜〜〜…もうッッ!!』




同じことの繰り返しで流石に疲労と苛立ちが募る。




『【鳥獣戯画】!獣、来て!』



その瞬間ボクの足元の影がブクリと泡立って、大きな真っ黒い獣が現れる。




獣は猫目掛けて突進しながら大きく口を開けて、ばくんと呑み込んだ。

みたらし団子→←冗談



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jumpcontrolbear(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます!!楽しんでいただけて何よりです三└(┐卍^o^)卍 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とっても面白いです!!作者様すごいです!! (2019年8月12日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 裕さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて凄く嬉しいです!!更新頑張るので楽しみにしていてください! (2018年4月6日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが気になります!めっちゃ話に引き込まれて好きです!夢主さんも凄い好みで!更新頑張って下さい! (2018年4月6日 14時) (レス) id: 6354e2d8d5 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - やひーさん» ありがとうございます!頑張りますね!! (2018年3月19日 0時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だし丸 | 作成日時:2017年8月31日 1時

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