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正体不明 ページ12

Aはナイフを取り出す。



それを見て中原は警戒を強める。



「此処を通さないってことは、手前以外にも誰かいるな?

手前、何処の誰だ?」




中原の質問にAは何も答えない。



幸いフードを深く被っているため中原に顔は見られていない。



Aは大きく息を吸って走り出した。




中原の首元に向かってナイフを突き出すが、避けられ足払いをかけられる。


足を払われる寸前に大きく飛び上がってかかと落としをする。


しかしそれを腕で防がれ、Aは一度中原から離れた。




地面に手をついて姿勢を低くしたまま中原を見つめる。



「手前、その動き素人じゃねえな。」



中原は防いだ腕を軽く振る。




「悪ぃが、連れ帰って知ってる情報吐いてもらうぜ。」




中原は外套を肩から落とす。




今度は中原が飛び出した。



『ッッ!?』




気づいた時には目の前に居た中原にAは一瞬狼狽えてから直ぐに足を引いたが、



「遅せぇよ。」



鳩尾に中原の重い拳が当たり吹き飛ばされた。



吹き飛ばされたAはコンテナにぶつかり、地面に倒れ込んだ。





「残念だったな。」




中原はAに近づく。




「?」



そこで中原は何かに気がついた。




『ケホッゴホッ……、さすがマフィアきっての体術つかい。


内臓が破裂するかと思いました。』



Aは地面に手を付きながら体を起こす。




その口からはボタボタと血が滴り地面に落ちる。




『重力を纏わせた拳ってこんなに重いんですね。


ガードしてたはずなのにすっごい痛いです。』




Aは立ち上がって口から血を吐き出す。





「………手前ェ……なんで重力操作が効かねぇ……。」




中原はAを睨みつける。





Aは口角を引き上げた。




その笑い方に、中原の背筋がゾクリと冷えた。




Aは手に持っていたナイフを仕舞い両手を広げる。




『なんで、でしょうね?


もう一回試してみますか?』




Aの行動を挑発と受け取った中原は、再度Aの間合いに入り殴る。



しかしAの体に当たる前に何かに拳が当たり止まった。




「おい……何だよ、これ……。」




中原は自分の拳を受け止めているモノを見る。




それは先が三本に分かれている黒い影のようで、分かれた三本の先は鋭く、動物の爪のようだった。




その影はAを庇うように、Aの足元の影から空中に伸びている。

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jumpcontrolbear(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます!!楽しんでいただけて何よりです三└(┐卍^o^)卍 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とっても面白いです!!作者様すごいです!! (2019年8月12日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 裕さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて凄く嬉しいです!!更新頑張るので楽しみにしていてください! (2018年4月6日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが気になります!めっちゃ話に引き込まれて好きです!夢主さんも凄い好みで!更新頑張って下さい! (2018年4月6日 14時) (レス) id: 6354e2d8d5 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - やひーさん» ありがとうございます!頑張りますね!! (2018年3月19日 0時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だし丸 | 作成日時:2017年8月31日 1時

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