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44 伏黒side ページ44

「僕もさっき聞いた」
「それで慌てて帰って来たんですね」
「そういう事」


大きな溜め息を吐いた五条先生は、虎杖の方を見た


「どうする?アイツを祓えば、死刑は無くなるけど」
「何を言ってるんですか!!悠仁がそんな事、」
「決めるのは悠仁だ。順平じゃない」


食って掛かる吉野を先生は威圧する


「ま、僕は祓ってほしいけどね」
「は?アンタ、何言って・・・」
「出来たらの話だよ。それで、どうする?悠仁」


俯いている虎杖に、五条先生が再び訊いた


「・・・俺は死刑のままで良いよ。天使先生は、俺が救えなかった命を全部拾ってくれた。そんな人の命を奪ってまで、俺は生きたくない」
「言うと思った。話はまとまらないから、出て来なよ」


五条先生が、何もない所を見詰めてそう言った。視線の先を辿れば、何もなかったはずの場所から、煙が出ていた。そして、その煙が晴れて、その中には人影があった


「天使先生!!」


煙が晴れた所にいた人影は、先程、窓から飛び下りたはずの天使先生だった


「さっき出て行ったんじゃ、」
「すぐに戻って来たとも。わっぱ共が、出て行くのを見計らってな。幻術を操れる事を忘れていたか?」
「あっ、忘れた!!でも、なんだか雰囲気が違う?」


虎杖が言うように、天使先生の雰囲気が違った。話し方ものんびりした口調ではなかった


「誓約を全て切ったからね。ぼやけてた昔の記憶も戻って来たって訳よ」
「な、なるほど?」
「この話し方の方がしっくり来るみたいだから、これでいるよ」
「それが良い!!天使先生って感じする」


急に出て来た天使先生。ずっとあそこにいたともなれば、今までの話を聞いていた事になる


「先生はどう考えているんですか?虎杖の事」


虎杖と話している天使先生に訊いた


「直球だね、恵」
「どうなんですか」
「祓ってもらう選択肢を選んでほしかったかな」
「えっ何で!!?俺は嫌だよ!!」


先生の返答に虎杖は困ったように叫んでいる


「嘘でも祓ったって言えば、死刑は免れるかもだよ?」
「・・・それがバレて、先生達に迷惑を掛けるのも嫌だし、死刑で良いよ」


虎杖は笑って、天使先生にそう言った


「うぅ良い子だなぁ」
「うわっ、やめてよー」


天使先生は泣き真似をしながら、虎杖の頭を撫でた


「素敵なんだけど、それだと共倒れなんだよね」


五条先生の言った通り、天使先生も虎杖も死刑が、確定されていると考えて良い


「え、あ、そっか。じゃ、どうしよ・・・?」
「そんな虎杖くんに一つの提案があります」
「提案?」


虎杖が訊くと天使先生は笑って頷き、口を開いた

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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時

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