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「俺と一緒に逃げない?」


虎杖くんに笑って問い掛けた


「先生と、一緒に・・・?」
「そう。今の俺なら、宿儺が出て来てもどうにでも出来るし、虎杖くんが二十本食べたら、処刑もしてあげる。どう?悪い条件じゃ無いでしょ」


悟くんに何かを言われるかと思ったが、何かを言う気配は無かった


「待ってくださいよ。虎杖を処刑って、上と変わらないじゃないですか」
「そうよ。そう簡単に、見付かるもんでも無いでしょうが」
「他に方があるはずですよ!!?」


虎杖くんの友達である三人は、俺の提案を好ましく思っていないらしい


「すぐに見付かると思うよ。どうする?虎杖くん」
「処刑するのは、・・・五条さんの、」
「僕は良いと思うよ。悠仁とAが一緒に逃げるの」


恵の言葉を遮って、悟くんが先に言った


「五条先生!!?」
「だって僕は、悠仁を殺したくないもーん。それなら、Aと一緒にいさせて、指を全部食べた状態の悠仁がAを祓えば良い」


そうすれば、虎杖くんが宿儺くんに乗っ取られる心配も無く、死刑を免れる事が出来る。最後の一本を呑み込めて無い状態で、俺の事を祓ったところで、死刑が帳消しになる訳ではない


「延命よりも、もっと良い方法だと思うよ」
「先生まで、」
「悠仁はどうしたい?Aと一緒に逃げるか、ここに残るか」


悟くんの質問に、胸元を握り締めた虎杖くんが顔を上げた


「・・・俺、天使先生と一緒に逃げる」


意を決したような表情をしている虎杖くんは、ハッキリとそう答えた


「は、お前・・・」
「悪い伏黒、釘崎、順平。今回の事で、結構悩んでてさ、だから・・・、ごめん。天使先生、行こう」
「分かった。それじゃあ、クソガキ共によろしくね。虎杖 悠仁を一級の呪霊が連れ去ったって。おいで、虎杖くん」


手を差し出せば、虎杖くんは迷わず、俺の手を取った。その手を引いて、窓の方に歩いた


「せ、先生!!」
「あ、順平くん。今まで、従士をしてくれて、ありがとう。ブレスレットはあげるよ」


俺を呼び止めた順平くんとの従士契約を終わらせ、虎杖くんを抱き上げた


「え、ちょっ、先生!!?」
「暴れないでね。じゃ、また会えたら会おうね」


そう言って、俺は窓から飛び下りた


「よっと」
「すっげぇ・・・ふわってした・・・」


着地に驚いている虎杖くんを地面に下ろした


「遠くに出掛けよう、虎杖くん」
「おう」


こうして、俺達の逃避行が始まった。あちらこちらにいる呪霊を倒しながら、宿儺くんの指を探して回って、宿儺くんの指を探している途中の森の中で、一休みをしていた

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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時

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