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43 伏黒side ページ43

「Aの力は凄まじくて、この大陸を覆う程の領域を展開する事が出来る。その領域を安定化する為に、誓約を掛けてたんだけど、もう遅いかな」


五条先生いわく、その誓約は既に無くなっていて、誓約によって失われていた天使先生の元の力は、取り戻されているらしい


「待ってください?って事は、天使先生は、ずっと無償で呪霊の力を抑えていたんですか?」
「いや、違う。最初はね、人間がAに頼んだんだよ。両面宿儺を封印する為に」


祓う事も出来なかった宿儺を封印する事が出来たのは、天使先生が呪霊の力を抑えてくれたお陰だった


「そんで、Aと呪術師は契約を結んだ。社を五ヶ所作り、祈りを捧げる事を条件に、呪霊をの力を抑える事を引き受けた」


しかし、それも時を越え、時代が変わって行けば、その契約も廃れて行った。数百年で祈りを捧げるのは、御三家のみになり、掟のようになっていたものだったが、今では蔑ろにされている


「ま、五条家も前までは、蔑ろにしてたから、深くは言えないんだけどさぁ」
「何で、祈るようになったんですか?」
「うーん、何でだったかなぁ」


この人はこういう人だ。いつもヘラヘラして、自分の核心に触れるような事は、絶対に話さない。何もかもを背負い込んでしまう。それを分かっていても、何も言えないのは、自分の弱さが原因だ

俺が手を差し伸べたところで、この人は手を取ってくれない。五条先生と同じぐらい強い人で無ければ、五条さんの隣には立てない


「でも、そんなに凄い人?が呪霊扱いになってんのよ。虎杖の事も攻撃して来たし」
「Aが数百年、生きているっていう証拠になる書物が発見されてね。何の確認もせず、呪霊認定。Aを一級呪霊にしたのは、狩りをしやすくする為だと思うよ」


上の人間は、一体何を考えているんだ。天使先生が、これまでにして来た事を無かった事にするつもりなのか?

いや、虎杖の事を考えれば、上は何でもする事が、バカでも分かる


「で、悠仁に上からの提案があって」
「俺に?」
「悠仁に提案って、攻撃しておいて随分な言い草ですね。上の人間は」


吉野が苛々したような口調で言う。吉野は、怒ると結構怖いので、刺激するのはやめてもらいたい


「順平、そうカッカしないの。提案って言うのが、悠仁がAを祓えば、宿儺を抑え込んでいると認め、死刑を取り消すだってさ」
「はぁ?」


流石に、これだけは虎杖以外、俺を含めた三人の声が重なった


「マジで何言ってんの?」


キレ気味で、釘崎が五条先生に言った

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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時

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