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『五条パイセン、俺 雑用は嫌なんすけど。』
五条「まあまあまあ、気にしないで」
『はぁ…』
______乙骨憂太
特級過呪怨霊に取り憑かれた少年であり
五条が秘匿死刑を取り下げた子供だ。
五条に無理やり引っ張られAは彼に会いに行く
『はっ、陰気漂ってんな。』
乙骨憂太が閉じ込められてるその部屋に1歩足を踏み入れれば、Aは、そう本音を漏らした
五条「これはなにかな?乙骨憂太くん」
秘匿死刑どころか、彼は死のうとしていた
その証拠が床に落ちてる捻れたナイフだろう
五条は何となくわかってて敢えて乙骨に問いた
乙骨「_____死のうとしました。
でも里香ちゃんに邪魔されました。」
_____『あくまでも«本人»はですよ。』
乙骨に取り憑く呪いが彼の死を許さない。
幾人もの術師が返り討ちになってるのもそのためだ
五条「暗いね。今日から新しい学校だよ」
乙骨「行きません。
もう誰も傷つけたくありません。
だからもう外には出ません」
自分の運命を嘆き、死を望む。
そんな乙骨がAは気に食わなかった
五条「でも_____
一人は寂しいよ?」
乙骨はまるで自分の強さも理解せず
自分の価値を投げ捨てて_____
『お前、一生そこでうじうじし続けるつもりかよ』
乙骨「…」
五条「君にかかった呪いは使い方次第で人を助けることもできる。力の使い方を学びなさい。全てを投げ出すのはそれからでも遅くないだろう。」
五条はそんな乙骨に手を差し伸べる
『_____俺、あいつ苦手』
解放された乙骨を、待っている間
Aはポツリと呟いた
五条「それは、お前と似てるから?」
『…さあな。』
Aは言葉を濁したが、
それはつまり図星だということだろう
10秒前の世界に戻れるAの術式
あまりに大きすぎるその力と責任
Aは、救いたいものを全て救いきれないことに
嫌気がさしていた
___「それってさ、お前が強くなればいいんじゃねーの?
一人でいたって変わらねぇよ。」
最強になるすこし前、五条はAにそう伝えた。
«大切なモノ»など要らないと、
どこかで人に線を引いていたAに
人と関わることの楽しさを教えたのは五条だった
____『……灰原ッッッッッッッッッ!!!!!』
あの日の選択を誤ったとは思わない
でも、だからこそ知っている
成り行きでなれるほど 呪術師は甘くない
乙骨は、いたいほどに甘すぎる
そんなあいつが嫌いだ_____
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作者名:SEI | 作成日時:2022年3月18日 19時