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宿「見ろ、女しか居らんし場所も知らん。そもそも小僧が俺の言う通り動くとは思えん。かと言って俺が一人彷徨くと都合が悪いのであろう？
そこでだ、お前が来れば俺は何にも危害を加えないし誰も殺さんと約束しよう。それから、犬目の小僧やジャジャ馬娘には声を掛けるな。」
A「頼まれてるのは私なのに注文多くないですか？はぁ、、わかりました。行きますから、食べたら悠二くんに身体を返してくださいね？」
宿「心配せずともそう長くは乗っ取れん。」
騒ぎを起こされても困ると考えたAは溜め息をひとつつき、宿儺の頼みを承諾した。
そうと決まれば乗っ取られている虎杖のためにも早く宿儺を満足させようと、Aは財布を持ったのを確認すると宿儺を連れて目的地へと向かう。
幸い目的の店は駅近でA一人でもたどり着くことが出来た。
宿「ほう。さっき見た景色そのものだな！」
A「わぁーすごい人気!それに予想はしてたけど、やっぱり女の子ばっかりですね。
これはさすがに私が居ても入りにくいんじゃ……」
店員「いらっしゃいませー！1名様ですか？お客様ご案内しまーす！」
店に着くと宿儺は周りの視線など気にも止めず、案内されるがまま一人店内へと侵入して行く。
A「えっ！あ、待ってくださいー！」
店員の後ろを堂々と歩く宿儺に周囲の女子達も珍し気に視線を向ける。Aはその少し後ろを隠れるように着いていくのに必死だった。
……宿儺さん全然場の雰囲気とか気にしてないじゃない！注目されてる私の方が恥ずかしいんですが！！
店員「こちらでお願いします！お冷をお持ちしますのでメニューをご覧になってお待ちくださいね。お客様にはこちらのカップルセットがオススメですよ♪」
ショートヘアの可愛らしい店員がニコニコとポップを指す。
宿「ほう、ならそれで構わん。」
店員「ふふっかしこまりました！種類はどうされますか？フルーツ、チョコ、イチゴ、抹茶……」
A「宿儺さん！？店員さんすみません、私達カップルでは……」
宿「フルーツとチョコで良い。」
店員「はい、かしこまりました♪少々お待ちください〜」
カップルではないと訂正しようとするが言い終わる前に宿儺と店員の間で話が進んでいた。
Aはタイミングを逃し、微笑みながらカウンターへと戻っていく店員を眺めてまた一つ、溜め息をつくのだった。
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作者名：夢ノ宝石 | 作成日時：2021年7月24日 20時
