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38話 ページ40

「っ、ゲホゲホッ!!!」

異様に喉が乾燥している。

とりあえず咳き込んで違和感を取り除いて、
すごい数の面々に囲まれているとやっと気づいた。

「っ、え、ごめ、
心配、してくれた……???」

ちらりと目にした時計は8時。
朝早いのにわざわざ集まってくれたのかと、
彼らの優しさに胸が温まる。

「1年がお前がやばいって聞いて、
医務室に行っても誰もいないし、
周辺の病院に電話して聞いてもいないし。
……報連相くらいしっかりしろ」

「硝子……相変わらず言うね……」

肉体ダメージってより疲労だから、
反転術式は効かないからちゃんと休めよ
と言う硝子に、
心配してくれたんだろ。
ツンが強すぎ。

と返して。

「えと……みんな知ってるの?」

何があったと聞かれないということは、
五条さんが全部話したってことだろうか。

「モテるんすね先生」

「なんかすごい勘違いしてるね。君たちは……」

そんなバカみたいな会話も、
持ってきたんだと思わせてくれる。

「催馬楽」

「なんです??」

そう言って顔を見て、
あ。まずい。
これは怒ってる時の顔だ……。

と私は顔をゆがめる。

察しのいい硝子が、
ほら授業授業と生徒たちを送り出していく。

ねぇ硝子、帰ってきてくれるよね?
そのままバックれないよね????
信じてるよ??


______________________________________



「事実なの?」

数分押し黙った後
(硝子は帰ってこなかった。許さん。)
五条さんはため息をついて話し始める。

「えと、何がです??」

ズケズケ言う五条さんには珍しく、
要領を得ない言い方に眉を顰める。

「傑が言ってたこと」

「……???
ロシアのことですか?」

あなたの身代わりで、とは言えなかった。
顔が随分こたえてるみたいで、
珍しいなあと思う。

「……なんでそんなことすんだよ」

「おぉ、学生時代五条ですね。」

「茶化すな」

そんなこと、気にすることないのに。

「うぅん……
この際どうせ
全部聞かれてたんだから言いますけど。
私ねぇ五条さんの隣に立ってたいし、
時には支えてあげたいし。
超いい分家の人間じゃん、感動。」

いつものように軽口を叩いても
五条さんは何も言わなかった。

「別に身代わりになって
ロシアに行こうとは思ってませんでした。
ていうか行かせたかったのは上層部なんで。
ただ、拒否したら五条さんが教師することはない
なんて言うもんだから、
なんか、
あぁじゃあ行かなきゃ、みたいな……」

「ばかだろ」

「おい」

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ワイヤー女 - 新さん» ありがとうございます!!とても励みになります!これからも是非ともよろしくお願い致します! (2020年5月25日 16時) (レス) id: cedc192f36 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めっちゃ好きです!!全てが好きです!!更新頑張れぇぇぇぇぇ!!!!! (2020年5月25日 13時) (レス) id: e596ede8e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よく骨を折る田中 | 作成日時:2020年5月23日 18時

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