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40話 ページ44

夢主side
『…』

たくさんのポケモンと共に連れられたのは、何かの実験施設の用な所だった。

みんな、怯えた顔で縮こまっている。

僕は無言で立ち尽くしていた。

僕は、ポケモンを幸せにしないといけないはずなのに。
歌で元気を与えて、笑ってる顔が見たいはずなのに。

辛くて、辛くて、僕は涙を流した。

何かが床に落ちて、カツンと音をたてた。

ペンダントだった。

うらたさんが、僕の誕生日にくれた緑色の宝石がはめられたペンダント。

お守りにしておけよ。って顔を逸らされながら言われたっけ。

そう思いながら、拾う。
ペンダントを胸に抱き締める。

すると、何だか暖かく感じられた。
…ここで、終わらせられない。

僕の目に光が宿る。

たくさんポケモンの方を見て、次は部屋の外を見る。

誰も居ない。

僕は、ポケモン達に静かにしているように、指示をする。

ドアがある方とは、逆の壁。
そこに向けて、ハイドロカノンを放つ。

壁は案外脆くて、すぐに壊れた。

僕は、フライゴンと目を合わせ頷く。

駄目、怖じ気づいちゃ。
僕がボケモン達を救うんだ。

僕は、空を飛べるボケモン達の背中に飛べないボケモンを乗せて大丈夫か、確認する。

うん、大丈夫そう。

ポケモンたちに施設から抜け出す様に指示すると、みんな僕を不安げに見つめてきた。

そんなに信頼できないのかな?
でも、大丈夫。
僕には、お守りがあるから。

僕はペンダントを握りしめ、ポケモン達に最後に言葉を投げ掛ける。

−幸せに、なってね。−

フライゴンを先頭にして、飛び立った皆。

僕は、また強くなれた気がする。

一人なのは辛いけど、今は一人じゃない。

大切な人がくれた、お守りがあるから…。

僕は、歌を歌う。
大切な人への感謝と、お別れを告げる。

ごめんなさい。
僕は消えちゃうけど、忘れないでね。

僕を可愛がってくれて、ありがとう。

大好きでした。
さようなら。また、何処かで会おうね。

会えたら、ぎゅってしてね。






僕は、生を授かった中で最初で最後の、幸せで不幸なポケモン。
でも、その生き方に悔いはない。

ポケモンを、大好きな人を、守れるなら。

月夜に聴く残酷な響きは、辺り一帯に響き渡り、施設を破壊した。









急展開で笑える。

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チョコミント - 日向くんさん» 俺が確認したもので、見つけた物は直させて頂きました!他にも、ここが違う、などあればコメント下さい! (2021年2月28日 18時) (レス) id: d8e12cdfc5 (このIDを非表示/違反報告)
チョコミント - 日向くんさん» そうだったんですね!教えて下さり、ありがとうございます!直させていただきます!いえ、気分を害するなんてありません!逆にありがたいです! (2021年2月28日 13時) (レス) id: d8e12cdfc5 (このIDを非表示/違反報告)
日向くん - 作品見ました!とっても面白いです!頑張ってください!けど、1ついいですか?うらたさんは関西弁では無いです…気分を害してしまったのならすみません… (2021年2月14日 16時) (レス) id: fe14c1ce57 (このIDを非表示/違反報告)
チョコミント - マイメロしか勝たんさん» やっほーww← (2021年1月3日 19時) (レス) id: 4d52063f8c (このIDを非表示/違反報告)
マイメロしか勝たん(プロフ) - チョコミントさん» やっほー (2020年11月15日 19時) (レス) id: f95c96f9d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アイスミントチョコ | 作成日時:2020年10月10日 19時

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