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竜は恐ろしいと忌避する者も少なくない。傘下の小早川秀秋などがそれだ。
あんな怖いものはいない方がいいよと怯える。戦に出る勇気もないくせに。
それに比べて秀吉は竜を快く受け入れているのだ、天下さえ取れれば竜がどれだけ生きやすい世の中になるだろうか。
「ほら、紫毒姫」
「きゅー」
転がってきた鞠を鼻先で軽く跳ね返す。少々軌道の逸れたそれは霸桜の枕元に転がった。
未だ熱が下がらない彼はちらりと鞠を見やるとゆっくり身を起こした。
「ああまだ寝ていないと。辛いだろう?」
「いえ、大丈夫です……紫毒姫 どうぞ」
ころん、と力なく鞠を転がす。
紫毒姫には届かなかったが わざわざ鼻先で拾いに来てくれた。
「…姫様、私はそろそろ城を出た方が良いと思うのです。何をするわけでもなく、熱で寝込むばかりで……」
「城を出るのはせめて熱が下がってから言うんだね」
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作者名:クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年6月27日 20時