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武将の中には竜を従える者もいる。危険は多いが、懐けば強力な味方になるからだ。
婆娑羅者が生まれた理由の説として 古い時代に竜から人間が力を賜ったというものがある。それゆえか婆娑羅者の方がいくらか懐かれやすい。
「よし、行こう。もう夜だから早めにね」
「きゅーう」
紫毒姫は唯桜の二つ名の由来であり、また背中に乗せるのは彼女のみ。
秀吉だろうが半兵衛だろうが 他はなんびとたりとも乗せはしない。
「帰ったら水浴びさせてあげようね」
「くるる」
「ふふ、いい子だ」
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後日、霸桜は桐箱をいくつか持って再び城を訪れていた。先日の件で秀吉に詫びに来たのだ。
箱の中身は依頼された呉服に加え 昇り龍の煌びやかな掛け軸。詫びの品である。
馬に車を引かせて城門まで来たはいいが 思いもしない門番に来るところを間違えたかと錯覚した。
「きゅー?」
「…私は呉服を生業としている錦羽根という者です。豊臣秀吉様に呉服を献上、お詫びに参りました所存 どうか通してはいただけないでしょうか」
普通に挨拶をするあたり精神面は只者じゃない。
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作者名:クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年6月27日 20時