乱歩さんの彼女さんっ！！【江戸川乱歩】

でぇと ページ8

Aside

昨日急に決まった乱歩さんとのデート。

店をお休みすることになっちゃったけど…正直ちょっと、厭、とても楽しみ。

なんだかんだいっていつも乱歩さんはデートの時に楽しませてくれるから。

服装だって私は気合を入れなくも…ないし。



　「ちょっと早すぎたかなぁ…」



時計を見ると9時40分。20分も早く来てしまった。



　「待つか…」



私は暇つぶしに携帯をいじっていた。

公園だからか小さい子供の声なども聞こえてきてデートの前に幸せな気分になったようだった。

…なのに…。



　「あれ？可愛い子発見〜〜」



たまにあるこういうこと。



　「何？一人？なら俺らと遊ばねぇ？」



計3名の下品そうな男性集団。

ハッキリ言ってすごく面倒くさい。



　「…人を待ってるので」



　「何？友達？じゃあ友達来たら俺らと…」



　「友人ではなく彼氏です」



相手の言葉にかぶせるように私は言葉を放った。

こんなチャラそうなやつら、私の好みではない。

乱歩さんよりかっこよくなってから来てよね。まぁあり得ないだろうけど。



　「え〜、そんな彼女待たせるような彼氏ダメダメじゃん、俺らと遊んだほうが絶対に楽しいって！」



乱歩さんを悪く言わないでください！

なんて言えるわけもなく私は完全に無視を決め込む。

待ち合わせまであと10分。

乱歩さんはいつも時間ぴったりに来るからあと10分はこの状態かぁ…。

私よりもかわいい人なんてゴロゴロいるんだし私に声かけるのはやめてよ…。



　「…あの…辞めてください…」



少し油断をしていたら男性たちに腕をつかまれていた。



　「ね？俺らと行こう？」



　「ひっ…」



腕をつかまれれば逃げ場などない。

かなりの力で向こうへ引っ張られる。

厭だ。



　「乱歩さん…」



乱歩さんすいません…、約束破っちゃうかもしれません…。

私はこんな時でも大好きな乱歩さんのことを考えてしまうんだ。

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