光影の双子 (ページ4)

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第二話・その一（ジョルノside）ページ4

ブチャラティが、子供を拾ってきた。
この人が何かを拾ってくること自体は珍しくない。この前だって、腹を空かせているようだからと言って子猫を拾ってきた(その猫はホルマジオさんに引き取ってもらった)し、身寄りのない子供を見かければ声をかけ、食事を与え、信用出来る施設へと案内する。この人はそういう人なんだ。だから今回も、放っておけなくて、声をかけたのだろう。
こんな雨の中、泥に汚れた正体不明の子供に。刺されるかもしれないのに子供に背中を向けて、一人はしっかりと腕に抱えて。自分がギャングの幹部で、敵が多いことを知った上で。
僕はﾊｧ…とため息を吐き、アジトに備え付けられた浴室の湯船に少し熱のお湯を張った。同じくアジトにいたフーゴは僕が湯を張ってる間にタオルをソファーに敷き、ナランチャは暖炉の火を強め、ミスタは二人の着替えとドライヤー、ブランケットを用意し、アバッキオは暖かいココアを入れる。誰もなにも言及しなかったし、ブチャラティも子供について何も言わない。ただ、眠っているらしい一人の子供を抱えたまま、もう一人の子供と一緒にソファーへ腰掛けるだけだった。

｢ブチャラティ、お風呂の用意が出来ましたよ｣

子供たちの髪の毛を乾かし、ブランケットに包まれていたブチャラティにそう声をかける。
ブチャラティはあぁ、わかったと言って眠っている子供を優しく揺すり起こした。

｢ほら、風呂の用意ができたらしいから、早く入ってこい。よくあったまるんだぞ｣

ほらほらと背中を押され、眠そうに目をこする子供の手を引いて風呂場へと向かう子供。その、髪と瞳の色に、皆が注目した。

血を思わせる紅い瞳と、雪のように白い髪。俗に言う、アルビノの子供だった。

手を引かれる子供は黒髪で、東洋以外の血が流れているのか、碧い瞳をしていた。どちらの子供も髪が傷み、瞳は暗く沈んだように見える。頬は痩け、本来なら美しいであろうその肌も傷にまみれていた。

｢着替えはカゴに入っているはずだ。今着ている服は青い札のついたカゴに入れるように｣

優しい声色でそう話すブチャラティ。その声に何か言うことは無く、ただヒラヒラと手を振り、子供たちは浴室へと姿を消した。