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.Aside
相田「はい?」
伊月「教師なのに。あなた生徒がこの問題分かりませんって言った時、無理矢理答えさせようとするんですか?何のヒントもなしに、あり得ないですよね?俺には言いようのない怒りをただA先生にぶつけてるだけに見えますが、違いますか?」
相田「別に…違います。担任として、黙っていられなかっただけです。」
伊月「そうですか。それなら良かったです。これ以上堂々めぐりを続ける必要はないと思います。」
大丈夫、かな
相田先生、私達からしたらだいぶ偉い人だし
伊月先生キャラ変わっちゃうし
いいのかな、私と同じくらい
嫌われちゃうよ
相田「…まあ、取り敢えずは気をつけて下さいね。」
「……はい…本当にすみませんでした。」
よ…かった、けど
なんか変な感覚
さっき本気で責められたから
助けられたのとでなんか…
だけど素直に、有難い、今この瞬間だけは
多分、自分のこと私が血迷ってバラすとまずいから
じゃなきゃ、やってくれないよこんなリスク冒して
別にきっと優しさじゃないし感謝を伝える事なんて
ないのだけれど
「ありがとう」
伊月「いえ。」
ちゃんと反応してくれて、良かった
目を見てくれて、良かった
まだ一応、同期だ
.
伊月side
「ありがとう」
懐かしい響き
自分の中の淡い優しい記憶
動揺を隠す為に耐えて余力で最大の声を出した
「いえ」
あの時と見た目は大して変わってないのに
残酷な現実が脳を支配して
結局嫌いになる
自分も彼女も
だけど、ありがとうの時
あの時と同じ儚い表情と
同じ表情を今の俺に見せてくれたから
もう、何でもいいよ
なんかいま、全部消えた
なんでもいい
多分無意識だから、やっぱり魔性だし
やっぱりずるいひと
多分、ずっとだいすきで
簡単には消えない
棲みついたから、消えない
惨めでごめん
拙くてごめん
未熟でごめん
言わないけど伝わればいい
こんな俺が愛してごめんね
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作者名:黄瀬しか勝たん | 作成日時:2020年10月11日 4時