第十一幕 ページ12
良かった、無事に公演の許可が下りて。
許可が降りた事は煌帝国の方から、今頃は国境に設けられた、入国規制措置のための検問所で待機している仲間達に伝えてくれるそうで、私は仲間達が到着するまで禁城に泊まらせてもらえる事になった。
けれど気を抜くにはまだ早い。私にはこれから、紅覇皇子の美容法についての質問責めに答えるという仕事があるからだ。
「良かったね〜許可がもらえてさ。ところで約束の美容方の話しなんだけど、“夜桜”はどうやって肌の手入れしてるの？」
早速ですね、皇子。
「肌は……そうですね、入浴の際に──「あらぁ、お兄様？──えっ？あの、隣の方はどなた？」──あら？」
声を掛けてきたのは、紅覇皇子と同じ紅い髪をした少女だった。彼女も私の顔を見て、最初に紅覇皇子と会った時と同じく目を丸くした。
理由は相変わらずわからない……こともない。というか確信している。十中八九あのことだ。
「あ、紅玉。こいつはあの風花舞踏団の踊り子、“夜桜”だよ」
「あの風花舞踏団ですって！？私は第八皇女の練 紅玉よぉ。よろしくね、“夜桜”」
「風花女流舞踏歌劇団の“夜桜”と申します。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたしますね紅玉様」
先程お皇子のことを兄と呼んでいたのを見ればわざわざ考えるまでもないことだけれど、この紅い髪と瞳。どうみても紅覇皇子の妹だ。やはり兄妹姉弟というものは似るものなのか。
「ええ。ところでお兄様と何をお話ししていたの？」
「美容についてです。紅覇様が我ら舞踏団の美容法について知りたいと仰られましたので」
「だって世界一の美女が揃うっていう、あの風花舞踏団の美貌の秘訣だよ？気にならないほうが可笑しいじゃん。紅玉も気になるよね〜？」
「もちろんですわぁ！でも私、今はそれよりも気になることがありますの」
「あ、やっぱり紅玉も気になる？多分僕も同じことが気になってるんだよね〜〜。う〜ん、やっぱりそっちから先に教えてもらおうかなぁ。
多分廊下でペラペラ話すような内容じゃないと思うから、僕の部屋に行こうか」
「そうですわね、私のお部屋よりも紅覇お兄様のお部屋の方が近いですし……あの、私もご一緒して宜しいんですわよねぇ？」
「勿論だよ〜〜」
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春波(プロフ) - 有紗さん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2017年4月6日 12時) (
レス) id: 1a8017367a (このIDを非表示/違反報告)
有紗 - めっちゃ続ききになります！更新がんばってください！！ (2017年4月6日 0時) (レス) id: 29b6726ff9 (このIDを非表示/違反報告)
春波(プロフ) - アンジュさん» コメントありがとうございます。緑の黒髪とは髪の色が緑がかった黒だということではなく、艶やかな黒髪やみずみずしい黒髪という意味です。紛らわしい表現ですみませんでした。 (2014年12月25日 16時) (レス) id: 265852f7c9 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ - 緑の黒髪ではなく緑がかった黒髪の方が正しいのでは？緑がかった黒髪の方が読んでいる人もどんな色か想像しやすいかと。 (2014年12月25日 8時) (レス) id: 5ec94a4f4a (このIDを非表示/違反報告)
春波(プロフ) - リオンさん» コメントありがとうございます。すみません、名前変換はできるようにしていません… (2014年4月9日 17時) (レス) id: afd2fc571a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春波 | 作成日時：2014年1月14日 22時
