【WT】ボーダー隊員休憩所 １杯目【迅悠一】

ちょっと心配 ページ46

それから、米屋くんと出水くんを始め見知った人が本当に私のシフトの時に来てくださる事もあり。


相変わらずコロッケサンドを頼む太刀川さんに餅が入ったメニューも考えてくれ、とか言われたり

もきゅもきゅ食べる風間さんに牛乳のおかわりを頼まれたり、と少しずつ好みが現れてきて頬は緩む一方だ。


そうして入れ代わり立ち代わりでボーダーの皆さんとお会いできて数日。


「…大丈夫かな」



ふと、一人の人物が気にかかる


「ご丁寧にありがとう」と可愛らしい絵文字と共に送られた一文の後、待ってますの返事から何の音沙汰もない。


普段はスタンプだったり違う話題だったりで会話が途切れないのだが、まだ読んでいないらしい彼。




なんとなくこの前の不安が的中してそうで、でも迅さんに限ってそんな事は無いと勝手に考える。

やっぱり頑張りすぎてるんだろうな、とおせっかいをしてしまうが、何故だか迅さんのことになると頭から離れないし早くお店にきてほしいと思う。


これはきっと、憧れだから。助けてもらった、命の恩人、憧れの人だから。


きっと、そう思うだけ。



無理してないといいけれど。



返信がこない事に残念がる自分がいて、きっと頑張ってるのにそんな事思っちゃいけない！なんて正す自分もいるし、やっぱり無理しすぎてるんじゃないか、と揺れる心情は認められる程勇気はない。


「…憧れ、だからだよ」



確認する様に呟き、ぼふ、とベッドに寝転ぶ。


わざわざ自分で言葉にしたくせに、ずきりと心臓の奥深くが痛んだ。

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