拝啓、僕が歩んだ日々へ (ページ4)

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☆ ページ4

「………しばらく亡者の星で過ごしたあと、生まれ変わるってのはできないのか？」

「何かやりたいことでもあるの？」

俺は死ぬ以前の記憶がない
より正確に言えば自分の葬式を見たことが最初の記憶だ

我ながら酷い記憶だと思うが事実だから仕方ない

だから何故俺は死んだのか、そして今までの記憶がないのかを知りたい

今の無知な状態が普通なのか、それとも俺だけなのか知りたい
亡者の星に行けば、少なくとも俺以外の亡者がいるはずだ
彼等と話して、出来るなら自分の死因が知りたい

そうじゃなきゃ気持ち良く転生なんて出来るもんか

言葉を選びつつそれを伝えると、Aはあっさり頷いた

「分かった。それなら連れていく」

「でも少し待って欲しい」

「………どうして？」

「Aの話を聞きたい」

「……………はぁ？」

「俺のことは散々話したろ。なら次はそっちの番だ」

「そっちが勝手に話したくせに……」

白状しよう
正直、まだこいつと別れたくない

亡者の星までの道のりがどんなもんかは知らないがそこに着けば必然的に彼女とは別れることになる

その前に、もう少しだけ彼女のことが知りたかった

死神を名乗る、どこか危うげで不安定な少女のことが気になって仕方ない
あいにく好奇心は強い方だ
気になることを残したままにしておくのは我慢ならない

「………話すことなんてこれといって無いんだけどなぁ君と違って」

「なら俺が聞いたことに答えてくれればいいから」

「随分面倒な亡者と出会ったもんだね私も」

そう皮肉ると、彼女はまた口の端を吊り上げて笑った

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