【金カム】地獄の果てで会いましょう【尾形】 (ページ38)

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盲目の盗賊 4 ページ38

森の中を慎重に進んでいく。しばらく歩いていると、がさりと後ろの茂みから物音が鳴る。
振り返るよりも先に、その人物が私に近づいてくる。思わず悲鳴を上げそうになると、口元を覆われ、「しーっ…」と耳元で言われた。この声には聞き覚えがある。

「……尾形さん？」

恐る恐る名前を呼ぶと、「そうだ」と言われた。どうしてここにいるのか聞く前に、彼は「お前、何してんだ」と言う。

「お風呂で男に襲われたので、アシリパさんや杉元さんたちが心配で探しに来たんです…」
「はぁ……。灯りを持たずにか。とんだ大馬鹿だな。そのまま旅館で大人しくしていればいいものを」

呆れたように言う彼にムカついたが、今は言い争っている場合ではない。早く二人を見つけないと。
すると、またどこからか足音が聞こえてくる。尾形さんは私の腕を引っ張り、近くの木陰に隠れた。息を殺して、そのまま待つ。
体が先程よりも密着し、ドキドキする。しかし、それと同時に違和感も感じた。尾形さんの体がどう考えても、服を着ている感触がない。
かくいう私も、いつもよりも服を着ておらず、心許なさを感じるのだが…。それに、腹の辺りにも何か当たって……。……いや、考えるのはよそう。

そんなことを考えている間に足音の人物は通り過ぎていく。一体どれくらい時間が過ぎたのだろう。しばらくその場でじっとしていると、日が昇ってきたらしく、徐々に明るくなってきた。
尾形さんは、銃を構えると先程通った人物を撃った。球は見事命中し、その人は倒れる。暗くてよく見えなかったが、目の周りに布を巻いていた。

「あの人……」
「あいつらは盲目の盗賊だ。恐らくお前を襲ったやつもそいつらの仲間だろう」

そう言って歩き出す彼の後を追う。