【金カム】地獄の果てで会いましょう【尾形】 (ページ32)

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ラッコ鍋 2 ページ32

「頭がクラクラする…」
「大丈夫か尾形ッ」
「横になれッ今すぐにッ」

さらには尾形さんまでも顔を赤くし、頭を抑えている。いつもとは違う弱々しい彼に、思わず胸が高鳴った。

なんだろうこの気持ち……。
ふわふわしてきて、体が熱くて仕方がない。

尾形さんをみると、なぜか服をすべて脱がされ、褌一枚になって横になっている。思わず目を逸らしそうになったが、なんだか辛そうで目が離せない。

自然と彼の頭に手が伸び、少しでも楽になるかと思って、膝の上に乗せた。すると彼は驚いたように目を見開き、それからどこか安心した表情を浮かべているように見えた。思わず笑みが溢れる。

「Aちゃーん。尾形ちゃんばっかり構ってないで俺にも構ってぇ？…ていうか、あれ？Aちゃんなんかつらそうじゃない？」

いつの間にか白石さんが場所を移動してきており、私の腰を撫でてきた。その感触にびくりとする。

「大変だ、Aさんも胸元を開けて楽にしたほうがいい！」
「……えっ！？」
「ほら早くしろッ！尾形のためにもッ！！」

杉元さんや白石さん、そして谷垣さんまでもがじっと私をみつめてくる。その視線は熱っぽく、じっとりとしたものだった。あまりにも切迫した様子に、私は慌てて自分の襟に手をかけたのだが……。

あれ、なんでこんなことになっているんだろう。と、ふと冷静になった。

おかしい。
私は咄嵯に立ち上がって距離を取る。

「わ、私アシリパさんたちの様子見てきますッ！！！」

そう言って番屋を飛び出した。ゴトッと音を立てて尾形さんの頭が落ちたが気にしていられない。後ろから杉元さん達の声が聞こえたが、私はそれを無視して走り出す。幸い、バッタも先程よりも少なくなっている。