【ダイヤのA】不完全な脚擬き (ページ3)

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目指すは高校野球ページ3

「A！勉強教えてくれ！頼む！！」

「…なんでギリギリになってやり始めるの？」

「う゛っ…！」

空が茜色になりかけている時間

2人の少年少女が対峙していた

「それは…Aの手を、煩わせないようにっていうか、その…」

「…いいよ別に」

少年は顔を明るくさせた

「ありがとう！A！」

それで、ここなんだが…とテキストを広げ始める彼

そんな彼を、彼女は静かに見つめていた

日々野球ばかりしていた彼が勉強と言い出したのだ

彼の将来性に安心したのだろう

「なんだ？俺の事見つめて…」

素っ頓狂な声をあげる彼

彼女は静かに机に向かった

何も

「おい栄純！」

わからない…と嘆いている彼を呼んだのは

「おお、Aちゃん。来とったんか」

「お邪魔してます」

彼の祖父だった

頭部が夕焼けに反射して光っている

「お前にお客さんじゃ。東京からの」

「と、東京？」

…栄純、何かしたの？

知らねーよ！