Lupinus【呪術廻戦】

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禪院家から派遣された女性が運転する車に乗せられ、今回の現場に移動する。

禪院の分家出身の元呪術師らしく、
直毘人からの命令が出ると彼女がよくサポートに来てくれる。

彼女もかなりの良家出身だが、あの何とも言えない嫌な感じがない。
珍しく非術師出身の私を見下したした態度もとらない。



禪院家に関わるのは苦痛やストレスで仕方がないが、
てきぱきと仕事をこなす彼女と過ごすのは嫌いじゃない。







「階級は未定ですが、推定では1級相当かと。」

『結構被害出てるんですか？』




「現場はダム建設のため立入禁止になっているので一般人の被害は出ていませんが、高専から派遣された準一級の呪術師が数名負傷しているようです。」

『…。大丈夫なんですか、これ？高専から反感買いそうですけど。』







「……まあ…、ほぼ直毘人様の独断ですので。良い顔はされないでしょうね。」

『…。』






「申し訳ありません。香月様にはなるべくご迷惑にならないよう善処致しますので。」

『……大変ですね。』









依頼の説明をされながら
面倒事が起こりそうな予感に溜息を吐きたくなった。




数日前から出現した呪霊。
高専の呪術師が祓えずに苦戦しているところに
禪院直毘人が興味を示し、
あろうことか飼いたいから捕まえてきてとのこと。


聞かされた時は頭が湧いてるのかと耳を疑った。

すでに高専からは応援の呪術師が派遣されているらしく、
鉢合わせでもすれば間違いなく非難されるだろう。









「やはり来てますね。遅かったようです。」









到着すると数台の黒い車がすでに停めてあり、
補助監督の呪術師が群がっているのが見える。

こちらに気付いたようで
容赦のない不審そうな視線が辛い。









『………帰りません？』


「いけません。私が叱られます。」









『………。』


「これ、封印用の呪具です。高いですから、壊さないでくださいね。」









『……………ハイ。』

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