09:革命 ページ10
「日向君達、お帰り。様子はどうだった?」
日向…と呼ばれた眼鏡をかけた青年は、腕を組ながらリコの質問に答えた。
「カイジョウとヨウセンの分の協定は近いうちに結ばれるはずだ。火神の知り合いがヨウセンに居てくれて助かった。問題は伊月の分だ…」
伊月と呼ばれて頷いた青年は、日向のあとに続くように、その状況を伝える。
「ラクザンとトウオウの方はかなり過激派になっている。下手をすればどちらとも滅びかねないぐらいにな。動きがないのはシュウトク。今のところ返事がない。様子をうかがってるみたいだな」
「そう…ありがとう。木吉君と降旗君は都市部だよね。まだ情報が集まってないのかしら…」
2人の名前をいったリコは、姿の見えない彼らの心配をした。問題はないと思うのだが…と。
・
「あの…一体、何の話ですか…?」
状況がうまく飲み込めていないのは黒子だけで、詳しい説明を求めていた。
「ゴメンね…じゃあ説明しましょうか」
黒子の目の前においた白い陶磁器。中には先程いれた紅茶が蝋燭の光を帯びて僅かに紅く輝いていた。量は少ないが、それでもなお美しい。
夕暮れ色のようで。血色にも見えなくもない。
リコは椅子に座るとその重い口を開いた。
「実は私たち表向きは宿屋を経営してるけど、裏向きでは反逆者で…この国に革命を起こそうとしてるの」
「…カク…メイ?」
それが何を言っているのか、黒子にはわかった。若い彼らが余りにも残酷な運命を…彼らが背負っていることも。
「…それは何故ですか?」
「この国が余りにも荒んで傾いているからよ…」
リコはうつ向きながら、しかしはっきりと…黒子の顔を見ながら声音の言葉を続ける。
・
・
「民が病になっても、労働を絶対として休んだものを死罪とするのが正しいの?
異民の民だから殺すの?
間違ってることを指摘した人を殺すの?
民が餓え死んでも無視している王と貴族が正しいの?
人を虫けらのように扱って自分が正しければそれでいいの?
…そんな子供の我が儘で済まされる問題じゃない。絶対に可笑しいわ。
…苦しんでいる人をこれ以上増やさないためにも、誰かがそれを示さなければ国は変わらない。変わるはずがないのよ。
根本的に腐ったところを取り払わなければ、柱は立ってはいられない。
だから私たちは革命を起こすの。
自分達の命に変えても…」
・
ラッキーアイテム
革ベルト
14人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミコト宮地(プロフ) - あれ…この話前niconicoで見たことある…初めのプロローグ。 (2014年10月13日 21時) (レス) id: 310942e7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ののん*(プロフ) - とてもおもしろいです!心読み少女の夏休みも、更新楽しみにしてますね! (2014年4月23日 16時) (レス) id: 671cb3fac6 (このIDを非表示/違反報告)
びんこ - このお話が好きです! 頑張ってください (2014年4月19日 21時) (レス) id: a7e9759f2a (このIDを非表示/違反報告)
闇竜(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2014年1月30日 18時) (レス) id: dccfe97d53 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ@まるてと。嫁(プロフ) - わぁ~新作ですね(*´∀`)!!!!楽しみにしてますヾ(〃'v'〃)ノ (2013年7月3日 21時) (レス) id: 1d5613e612 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゲームを作りたい月影 | 作成日時:2013年7月3日 19時