【銀魂】先生と呼ばせてください (ページ31)

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先生と志村家1 ページ31

銀さんにも神楽ちゃんにも、やりたいことが出来た。

僕は江戸に残り、万事屋の仕事を続ける傍ら、姿を消した先生を探していた。

あの柊の木の家は解放軍によってなのかとっくに壊されており、村の人達も先生を見ていないと言った。

ある日、僕は万事屋への依頼で橋の改修工事の手伝いをしていた。古くなった橋を壊し、新しく造り直すらしかった。

その橋の下に、人影を見つけた。横になり、丸くなっている人が1人。ホームレスだろうか、と僕は思った。

橋の工事をするのだから、退いてもらわなくちゃならなかったので、僕はその人に近づいた。

｢あの、すみません。ここ今から工事始めるんで、退いてもらっても……｣

｢ん……あぁ、お邪魔でしたか、失礼しました｣

頭まですっぽりと毛布にくるまったその人が起き上がった時、僕の呼吸は止まった。

｢先、生……？｣

亜麻色の髪は雑草のように伸び、乱れていた。淡い色の着物には泥や汚れがついていたけれど、その中にも気品を感じさせるその姿は僕のずっと探し続けていた先生そのものだった。

｢新八くん……｣

先生は僕の姿を認めると目を見開いた。

｢おーい万事屋ァ、一体何やって……ん？そいつァ……まさか……っ！｣

業者さんが先生を見て1歩後ずさる。どうやら彼は先の戦いで力を貸してくれた人の1人らしく、緊張した面持ちの先生を虚と見間違えたらしかった。

｢万事屋離れろォ！そいつァあの時の！｣

｢すいません僕ちょっと急用が！｣

先生の手を引いて僕は走った。走りながら先生に笠を被せた。