先生と地球5 ページ30
夜空に、大きな五芒星が浮かび上がった。そして、膨大なエネルギーが、僕らの周りから定春の方へ立ち上っていった。
エネルギーの元にいたのは、たくさんの江戸の人達だった。阿音さんと百音さんが彼らの生命力を使い、定春にエネルギーを送り続けているらしかった。
柳生家、御庭番衆、百華の人達も帰ってきていた。
何度斬られても、蹴り飛ばされても、僕らは何度でも立ち上がった。
｢人間は、愚かで臆病で残忍な生き物です。でも、それだけではありません。人間は、己の弱さと戦える生き物です｣
先生が疲弊した虚の前に立って言った。
｢それを教えてくれたのはあなたです。あの時ののあなたがその身を犠牲に私を解放し、あの時の松陽が私に
感謝の意を述べながらも、先生の剣は虚に向けられていた。
銀さん、神楽ちゃん、先生、近藤さん、土方さん、沖田さん、神威さん、星海坊主さん、そして僕。
それぞれの思いが込められた刀を、傘を、虚に突き立てた。
突き立てただけで終わるものではなかった。虚はすぐに僕らに反撃し、僕らは後ろに飛び退いたが、既にその力は限界に近いことが僕らにも見て取れた。
｢よもやあの男がまだ、我が内にあろうとは……欠片の1つは、私だったということか……｣
虚が後ろに下がった。そこには龍穴があった。
｢だが人間達よ、これで終わりではない。あなた達は、あの男は選んでしまった……終わる事なき戦を、悲しみに彩られた生を。
それを終わらせられる者は、もういない。
君達を救える者は、もういない。
いずれ思い知ることになるだろう。松陽の弟子よ。
君は松陽を救えなかった。君の死を救える
虚が龍穴に自ら身を投げた。
銀さんと先生は虚を追いかけた。しかし虚の姿はもう見えなかったようで、銀さんは座り込んだ。先生は龍穴を真剣な顔で見つめ、前に進み出た。嫌な予感がした。
｢待つアル先生ェェ！｣
｢しかし、今彼を追える者は私しか｣
｢ダメです！それだけは絶対に！｣
僕は銀さんを支え、神楽ちゃんが先生を後ろから羽交い締めにして取り押さえた。
そこに、敵の母船と思しき巨大な船が落ちてきた。
｢解ってるさ……まだくたばるわけにはいかねェ｣
その日、僕らは
そして、
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作者名：風寧 | 作成日時：2019年10月13日 2時
