先生と手紙2 ページ4
｢2人に言っておきたい2つ目が、その銀時さんのことです。2人は、銀時さんの態度を不快に思ったかもしれませんが、私は全くそうは思っていません。彼のあの態度は、自然なことです。でもとある事情でその理由を2人に説明してやれないのです。それは私も同じです。私からも言えません。
私は、万事屋を訪れたとき、銀時さんが何かしらの反応を示してくれたことを嬉しく思っています。だから私の代わりにだなんて思って銀時さんを責めないでほしい。私は大丈夫ですから。｣
どうにも納得できなかった。でも先生が言うのなら仕方ない、僕は無理やり自分の心を抑え込んだ。
｢大丈夫といいながらも、これを書いていて今、私は2人に会いたいと思ってしまいます。万事屋は出禁にされてしまいましたし、もう銀時さんの苦しそうな顔は見たくありませんから、かぶき町をうろうろする訳にもいきません。
私はもう、君たちと関わらない方が良いのでしょう。君たちの為にも、きっとそれが1番良いのです。｣
銀さんのあの表情を、苦しそうだなんて思ったことはなかった。理不尽に苛立っているようにしか見えなかった。でも、何かの事情を知っている先生には、そう映ったのかもしれない。
｢この手紙を、きっと君は1人で読んでいるのでしょう。読み終わったらこっそり神楽ちゃんにも見せてやり、そうしたらすぐに捨ててください。銀時さんの目につかないように。どうかお願いします。｣
手紙はそう締めくくられていた。案の定記名はなかった。
僕は街を駆け回って公園で遊んでいる神楽ちゃんを見つけた。
手紙のことを話すとすぐに僕の家に来て読んだ。
｢先生、なんでこんなに優しいアルか……いや、優しいとも違うネ、なんで、こんな……｣
｢分からないよ。銀さんと先生は、きっと何かあるんだよ、でもそれを僕らには言えない。悲しいけど、受け止めるしか、僕たちには出来ないのかな｣
｢新八、私達で先生のこと探すネ。だいたいどの辺に住んでるかは予想できるアル｣
｢え！？｣
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作者名：風寧 | 作成日時：2019年10月13日 2時
