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〜翔〜
ちょっと昔話に付き合ってくれないかな？
Aと出会ったのは雨の降る日だった
その日は大雨で車が使えなくて、歩いて帰ってたあるとき
目の前に傘もささないで歩道橋から車を眺める女の子がいた
しばらく見てたけどその子はただ立っているだけ
もしかしたら飛び降りるんじゃないかと思って止めるために声をかけた
さすがに目の前で死なれたら目覚めが悪い
あと単純に、幽霊になって取り憑かれてもやだった
翔｢あの｢大丈夫ですか？」
あれ？
今どこから声が！？
俺、霊感ないはずなんだけど！！
ついに覚醒したか俺
｢あのー？」
あ、この子か……
そりゃそうだよな
人間そんなすぐ覚醒しないか
生まれ変わって来世に期待するしかない
あれ、俺今｢大丈夫？｣って言われなかった？
聞き間違いかな
だってこの子、俺のこと見てなかったんだよ
そんなはずないよな
きっと俺の聞き間違い
もしくは……あれか！
無意識のうちに心の声が出たとか ←そんなことあるわけないでしょby.和也
｢あの、もしよかったらこれ」
そう言ってカバンから少し冷めた缶コーヒーをくれた
翔｢ありがとう」
普段の俺なら絶対受け取らない
手作りじゃないにしても、事務所のほうからキツく言われてる
プライベート中にファンの子から何も受け取るなと
でもこの時は、この子は信頼できた
なぜって、笑顔の中に悲しい光りが見えたから
正直自分でもよくわかんないよ
そんな光り、本当は見えてないのかもしれないし
でも、このまま1人にしたら後悔しそうだった
どうしてこの子のことを気にかけるのか
名前も知らないその子を自分の傘にいれて
翔｢あのさ、行くとこあるの？なかったらウチにこない？」
そんな事を口走っていた
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作者名：まゆ
| 作成日時：2015年11月7日 22時
