束縛愛Part4 (ページ7)

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〜A〜

今日から潤がいないから、潤の書き置きのレシピメモを頼りに偏らない料理を作ることになった

私以外で

学校の帰りにスーパーに寄って買い物をしてるけど、サバ缶に手が届かない

何であんな高いとこに置いてるんだろう

背伸びしても触れることも出来ない

本当にどうしよう

困っていると後ろから伸びた手は軽々しくサバ缶を掴んだ

綾野｢これ？どうぞ｣

｢…………？｣

しばらくじっと見つめて、ようやく絞り出せた答え

｢ありがとうございます｣

取ってくれたのか

これで買い物は終わった

早く帰らないと

みんなお腹空いてるんだろうな

斗真｢おーい。剛くん。綾野剛くーん。飲み物は向こうだよ。何で缶詰コーナーにいるの？｣

綾野｢いや……ちょっと自分が有名で売れてると勘違いしてたことに反省してる｣

斗真｢ごめん。意味分かんない。THE綾野剛がスーパーで買い物とか目立つから早く済ませよう｣

･

｢ただいま｣

翔｢おかえり！重かったでしょ｣

｢全然。これで何作るの？｣

翔｢お手軽パスタ。失敗しないようにだと思うんだけどさ。茹で時間をめちゃくちゃ大きく書かれてる｣

｢そういうの細かいもんね潤は｣

翔｢バカにされてる気がする｣

｢違うと思うけどな｣

翔｢俺が作ってるからAは着替えてきなよ｣

｢大丈夫？火使うんだよ｣

翔｢5歳児じゃないから大丈夫｣

｢包丁で遊んだりしたらダメだよ｣

証｢しないしない。何でそんな信用ないの？｣

｢潤からメッセージ来てる｣

翔｢はいはい。絶対大丈夫！ちょー美味しいパスタ作るから｣

｢うん。楽しみにしてる｣

着替えてもすることないしお風呂ぐらいは沸かしておこう

それからは……テレビ観てよ

斗真くんが出てる

無意識に火傷に触れては日々を思い出す

斗真くんだけが変わらなかった

私に普通に接してくれていた

本当に好きだったんだよ

あの頃みたいには戻れないかもしれないけど、こうして会えるだけでもう満足だ

泣くのを我慢して、翔達が作ってくれたパスタを食べて今日が終わる

なんてことない変わらない1日だった