【青葉城西】俺らのマネは、イエスマン。【HQ】

はい、が三十六回。 ページ38

少しづつ、肌寒くなり出した、10月。

もう、いつの間にか冬に近づいてきた。

私はあれからなにも言えず。


いつも通り、マネの仕事をする。


でも、


「退部届け、もらっちゃった…。」

職員室に行って、退部届けをもらった。

もう、記入もしてある。


でも出さない。

出さない。



愛梨ちゃんは可愛く仕事をしてるかしてないかのギリギリラインを通っている。


不満ではない。

でもやっぱり大変だ。

今日も、少しだるさが残る。

かったるい体を奮い起こし、体育館をへ向かう。


体育館のそとから、三年生たちが話しているのをなんとなく見つめる。


楽しそうだ。


本当に、素敵な先輩だと思う。

思わず微笑んで居たら、

「なーなー、この前の店、良かったよなー。」

「えー、俺あんま好きじゃない！」

「お茶こぼしてたじゃん、お前。」

なんの話だろ。

「てか、愛梨の私服可愛かったし。」

え、どういうこと。


震えてくる手のひら。


「及川さんドキドキした！てかさ、A呼ばなくてよかったのかな…？」


ドクン


心臓が嫌な音を立てて軋んだ。


「だな…なんか話しかけづらいっつーか。」

「うん…ずっと前だけど。忘れられないよね。」


「退部するって、ほんとかな。」



持って居た退部届けを握りしめる。

違う、違うよ。


やめたくない。

でも、あれは。



本心じゃない。


「なんで…。」

気づいて、ほしかった。

私は、これでも二年間やってます。

マネの仕事も、好きです。

部活のことも。


なんで、届かないのかな。

私が、口下手だからですか？


なら言うから。


届いてよ、なんで。




はい、しか私が言わないからですか？

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