その日、兼続殿は「義」を失いました。 (ページ2)

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長谷堂ページ2

兼続は、政宗の猛攻に耐えていた。

兼続「くっ！」

政宗「どうした兼続！！いつもの威勢はどこへ行った！？」

かんっ！きんっ！

兼続「あっ！」

兼続は、政宗の攻撃に耐え切れず、剣を離してしまった。すかさず政宗は、兼続の頭に銃口を向けた。

政宗「兼続、覚悟しろ」

兼続「……」

景勝様…すいませぬ。

兼続は、目をつぶった。そして政宗に言った。

兼続「政宗…私を殺してくれ……。」

と…。

政宗は驚いた。兼続が泣いていたからだ。

兼続「三成が死に…私は…私は…！」

どうすれば良いのだ…！！

政宗は黙った。そして政宗は銃口を落とした。

政宗「馬鹿め、貴様が死んだら、上杉はどうなるのじゃ馬鹿め。貴様がいなくなったら悲しむのは当主の景勝よ。貴様はどう足掻いても生きなければいけないのじゃ。」

政宗は兼続に説いた。

兼続「景勝様が…悲しむ…」

政宗「今の貴様の様にな。」

兼続は黙り込んだ。政宗はただ、ただ、じっとそれを見ていた。

兼続「何故…政宗は私に…」

兼続は政宗に説いた。しかし、政宗は答えなかった。ただ、じっと兼続を見ていただけだった。

そして政宗が放った言葉は意外なものだった。

政宗「兼続…逃げよ。」

兼続「！！」

政宗「今のお主を殺した所で、何の利にもならぬわ…」

悲しそうに、言った。

兼続は政宗を見て少し経った後、言葉を開いた。「分かった…」と…。

西軍敗北は、兼続を少しずつ…だか確実に、蝕んで行った。