86輪目 ページ40
「うわー。」
「ケンカやめろオイっ。」
「黄瀬と灰崎の次はお前らか!」
「誰か亜麻野呼んで来い!」
2人を止めようとざわつく周囲。その声にはっとする。
「すみません、少し様子を見てきます。」
「あぁ。」
監督に断りを入れて2人のところへ向かう。
未だに言い合っている2人に声をかける。少し落ち着いてもらわなくちゃ。
「真ちゃん、紫原くん!」
「ミケ。」「亜麻ちん。」
2人の目線がこちらを向いたことを確認してから口を開く。
「とりあえず深呼吸して落ち…わっ!」
「ミケも俺が決めた方がいいと思うだろう?」
「はぁ〜?俺が決めた方がいいよね、亜麻ちん。」
しかし、右腕を真ちゃんに、左腕を紫原くんに引っ張られてしまう。
「ちょっと、2人共…わっ。」
「ミケを困らせるな、紫原!」
「ミドチンこそ〜!」
「だから引っ張らな…ちょっ!」
ぐいぐいと引っ張られながら頭上で交わされる口論に頭が混乱する。
こんなつもりじゃなかったのに、どうしてこんなことになってしまったのか。困惑していると、落ち着きのある声が響いた。
「ケンカはやめてください。亜麻野さんも困っています。それに…今の2人なら僕でも勝てますよ。」
く、黒子くん〜!!ありがとう!
「練習後、勝負してくれれば証明してみせます。」
「ゲロ吐きそうなヤツが何言ってんの!?」
「だ、大丈夫!?」
「は、はい。うっ…。」
吐くのを堪える表情で話す彼。慌てて彼の背中をさする。
なんだかこの場はとりあえず解決した…のかな?
64人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年7月25日 21時