84輪目 ページ38
「いや〜、びっくりしたね〜。」
練習後、皆で帰宅していると紫原くんが口を開く。
「あぁ…。すげーのは知ってたけど、まさかもうキャプテンとはなー。」
青峰くんも同意する。
「けど、まだ2年生なのに…大丈夫なんでしょうか?」
「…おそらく心配ないのだよ。」
黒子くんの疑問に真ちゃんが答える。
「赤司は日本有数の名家の子だ。その跡を継ぐため家は厳しく、ありとあらゆる英才教育を受けているらしい。帝王学も学んでいると聞いた。」
赤司くんの家の話は私も聞いていた。私のような普通の人間には考えられないほどの重圧を背負っていることも容易に想像がつく。
それが少し不安というか、心配で。
期待という名の重圧をかけられることは苦痛なんじゃないかと。
真ちゃんは続けた。
「だからなどと言うつもりはないがそもそも奴自身、同じ歳とは思えないほど頭がいい。虹村さんと同じか、それ以上にチームをまとめる力はあるのだよ。」
「へー。」
彼の言葉に皆は納得する。その後も雑談が続いていくのをぼんやりと聞いていた。
「本当に、大丈夫なのかな…。」
ぽつりと呟いた言葉は風に攫われていった。
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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年7月25日 21時