50輪目 ページ4
青い春の日、私達は2年生になった。
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「また、クラス離れちゃったね…。」
そう、今年も真ちゃんとはクラスが離れてしまった。
「別に構わんだろう。」
「そうだけど、一緒が良かったなあって。」
飄々としている彼を見上げながら話す。
「ふん。…昼食や部活は一緒なのだよ。」「!そうだね。」
呆れながらもそう話す彼を嬉しく感じた。
だが、それにしても…
「…ところで、真ちゃん…背、伸びたよね。」
中1の頃も高かったが、成長期なだけあって彼の身長はぐんぐん伸びていた。そのせいか彼と話すと首が痛くなる。
「まぁな。お前は…変わらないな。」
「なっ、少しは伸びたんだから!」
私を見下ろしながら話す彼。その言葉にむっとする。
伸びてるもん!…多分。
「むしろ、縮んでないか?」
「それは真ちゃんが大きくなったからでしょう!」
「ふっ。冗談なのだよ。」鼻で笑う彼にますます悔しくなる。
「もぅ、笑わないでよね。真剣に悩んでるんだから。」
「こればっかりは仕方のないことなのだよ。」
「牛乳を飲んだり、人事は尽くしてるのに…。」
不貞腐れながら話していると、
「別にいいだろう。お前が大きかろうと小さかろうと、俺は気にしない。」と言われる。声は普通なのに、表情は優しい。
まただ。柔らかいその表情をされると、胸がきゅっと疼いて、顔が熱くなる。
「ミケ?」「な、なんでもない!いこ。」
赤くなった顔を見られないように彼の手を引っ張って教室に向かった。
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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年7月25日 21時