75輪目 ページ29
その後、用意したものを持って赤司くんと一緒に旧館の屋上へ向かう。階段を登っていくと、にぎやかな声が聞こえた。
「わぁ。赤司くんの言った通りだ。」
「ふふ。」
彼の予想通りだと驚きながら歩を進めていく。
屋上へと繋がる扉を開くと、見慣れた"色"が目に入った。
「あ、ミケちゃんに赤司くんも!」
「さつきちゃーん。」
こちらに気付いたさつきちゃんのもとへ駆け寄る。
「スタンプラリー、どうだった?」
「負けちゃった。けど、楽しかったよ!」
にこにこと笑う彼女にこちらも嬉しくなる。2人で話していると、
「おーい、さっさと来いよ。」と青峰くんから声がかかった。
見ると皆はもう集まって座っていた。
彼女と一緒に皆のもとに向かう。
「ミケっち、こっちこっち!」
「わっ。」
黄瀬くんに手を引かれて、彼の隣に座ることになる。見ると焼きそばやらお菓子やらがたくさんあった。
すると、紫原くんが私の持つ紙袋を不思議そうに眺める。
「あれ?もしかして亜麻ちんが持ってるのって…。」
「ふふ、クレープです。おかず系とか動物系とか、色々作ってみました!」
あの後、赤司くんにクレープを焼いてほしいと言われたときはびっくりしたけど、まさか本当に皆が集まっているなんて。
「食べていいの〜?」
「もちろん。」
「やったぁ。ありがと、亜麻ちん。」
やっぱり、こうやって喜んでもらえるのが1番嬉しいなぁ。
64人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年7月25日 21時