5輪目 ページ7
いつものように真ちゃんと登校する。しかし、クラスが離れてしまったので途中で別れることになる。そのことに少し寂しさを感じて、
「クラス、離れちゃったもんね。」と話すも、
「ふん、人数が多いからな。同じクラスになるという方が難しいのだよ。」彼は平気そうだ。
「でも、できたら一緒のクラスが良かったな。」とポツリと零すと、
「…別に放課後は部活で一緒なのだからいいだろう。」
真ちゃんは眼鏡のブリッジを押し上げながら話した。
「！ふふ、そうだね。」その言葉を嬉しく感じて笑みが溢れる。
：
：
その後、真ちゃんと別れて自分のクラスに向かう。お昼を一緒に食べる約束をして。
席に着いて読書をしていると、
「その本、お好きなんですか？」と声をかけられた。しかし、声がした方を見ても誰も居ない。不思議に思っていると、
「ここです。」と突然、水色の髪の男子生徒が現れた。
「ひゃあっ！だ、誰っ！？」驚きのあまり変な声を上げてしまう。
「あ、驚かせてすみません。僕、黒子テツヤといいます。昔から影が薄いと良く言われてて。」彼は無表情にそう告げる。
いや、影が薄いってレベルじゃないだろうと思いながら答える。
「黒子くんね。私は亜麻野ミケです。よろしくね。」
「亜麻野さんですね。こちらこそよろしくお願いします。」
礼儀正しい彼の返答に、最初の質問を思い出す。
「あ、この本だよね。私、この作家のシリーズが好きなの。」
「そうなんですね。実は僕も好きで…。」
彼の言葉に、
「ほんと！？じゃあ、もしかしてこの本も読んだことある？」私は別の本を出しながら尋ねる。
「はい、あります。」
同じ作家を好んでいたことから、『ここの描写がいいよね』、『この展開は予想できなかったよね』、と私達はすっかり意気投合した。
偶然にも隣の席だった彼とその後も話を続ける。
「黒子くんもバスケ部なんだね。私もマネージャーなの。」
「そうだったんですね。やっぱり、バスケが好きでマネージャーになったんですか？」
「うん。黒子くんも？」尋ねると、
「はい、バスケが大好きなんです。今はまだ3軍ですが、いつか必ず1軍に上がって約束を果たしたいんです。」
彼は微笑みながらそう話した。
「約束？」「親友と、全中で試合をしようと約束したんです。」
「そっか、私もマネージャーとして黒子くんを応援するからね。」思わずそう言うと、
「ありがとうございます。」と彼は嬉しそうに笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みぃ太郎 | 作成日時：2023年6月22日 13時
