33輪目 ページ35
「まさかのぼせちゃうなんて…。大丈夫、ミケちゃん?」
「うん。心配かけてごめんね。」
あの後、部屋で休憩してからさつきちゃんと一緒に夕食を取りに行く。空席を探していると、
「おーい、さつき、亜麻野。こっち、空いてんぞ。」
青峰くんが手を振ってくれているのを見つける。
どうやら、いつものメンバーで食事をしているらしい。お言葉に甘えて、私達も席に着く。
「ミケ、もう大丈夫なのか?」
「うん。本当にごめんね、真ちゃん。」
「次からは長風呂も程々にするのだよ。」
「うん。」
真ちゃんを前にしても、あの恥ずかしさはもう感じなかった。
彼の言葉に返事をして、カレーを口にした。うん、我ながらうまく出来たんじゃないだろうか。3人で頑張ったからなぁ。
「それにしても青峰くん、お風呂場で恥ずかしいことしないでよね。こっちまで聞こえてきてたよ。」
「あ?そりゃあんだけ風呂がデカかったら飛び込みたくなんだろ。」
さつきちゃんが呆れるも、さも当たり前のように話す彼。
「ならないのだよ。」
「青峰、周りに迷惑をかけるのはいただけないな。」
しかし、真ちゃんと赤司くんに一蹴されていた。
「へーへー、分かったよ。ていうかうまいな、このゼリー。亜麻野だろ、作ったの。」
「それは俺も思った〜。いい感じに冷えてて美味しいよね〜。」
ゼリーを口にしながらそう話す青峰くんと紫原くん。
「本当?簡単なやつだけど、喜んでもらえて良かった。」
彼らの言葉を嬉しく感じていると、
「このカレーも美味しいし、亜麻野は良いお嫁さんになりそうだね。」
さらりと言われて少し驚いてしまう。
「えっ?そ、そうかな。なんだか赤司くんにそう言われると、自信がつくね。」
「ふふ、そうかい?」
少し照れながら返事をすると、彼は微笑む。
その風格に、本当に同い年とは思えないなぁと感じる。
こうして、合宿の1日目は幕を閉じた。
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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年6月22日 13時