30輪目 ページ32
白い砂浜に、どこまでも続く青い海。
じりじりと照りつける太陽が眩しい。
そう、夏の合宿は"海"で行われる。
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夏の合宿は、いつもの練習メニューに加えて、砂浜を利用したものが行われる。足を取られる砂浜で走り込みをしたり、プレーすることで下半身の強化を図るらしい。また、合宿後半には練習試合も行われる。
全中に向けて行われる鬼のような練習量。
…先輩のマネージャー曰く、控えめに言って"地獄"らしい。
1年生は炊事担当なので、着いてすぐに調理場へ向かった。広くて清潔なそこは、料理好きの自分からするとわくわくするものだった。
しかしさつきちゃんが抜けたため、1年生は私とミキちゃん、アツコちゃんの3人しか居ない。3人で100人を超える部員の夕飯を作るのはなかなかに骨が折れる。
取り敢えず、今日はカレーとサラダにしようと決めて、調理に取りかかった。
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「ふぅ。」
なんとか人数分の夕食を用意し終わる。夏の台所はいかんせん暑いので、終わった頃には結構汗をかいてしまっていた。
息をついていると、2人にお風呂に行かないかと誘われるが、さつきちゃんを待つので断る。お疲れ様と言って、2人は調理場から出て行った。
時計を見ると、まだ少し時間に余裕があるので簡単なゼリーを作ることにする。缶詰とゼラチンでできるそれは手軽だし、冷たいので夏にはぴったりだ。
今頃、皆はヘトヘトになっているだろうか。よく吐いている黒子くんは大丈夫だろうか。そう考えながら、ゼリーを冷蔵庫に入れた。
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「ミケちゃん、お疲れ様。」
「さつきちゃんも。外は暑かったでしょう?」
「もう汗だくだよ〜。早くお風呂に行こ。」
「うん。夕食の前にお風呂だもんね。」
部屋で待っているとさつきちゃんが戻ってきたので、タオルを手にお風呂に向かう。
「あ、そうそう。知ってる?ここのお風呂、おっきい温泉なんだって!」
「そうなの?それは楽しみ。」
「ね〜。」
楽しみな情報を教わり、少しわくわくする。
今頃、真ちゃん達もお風呂でゆっくりしてるんだろうか。
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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年6月22日 13時