24輪目 ページ26
そして次の日、私といつものメンバーは家庭科室に来ていた。
今日は土曜日で久しぶりの練習オフだったが、昨日の件で集まっていた。
家庭科室は赤司くんが許可を取ってくれたとのこと。そして、他の人達は「ヤバさを知ってほしい…。」と青峰くんに半ば無理やり集めさせられたらしい。
そして、合宿メニュー試食会という名目でさつきちゃんに料理をしてもらうことになる。まぁ、大丈夫だろうと私達は考えていた。
しかし、誰も気付かなかった。
自分達の考えの甘さを、青峰くんの言葉の意味を…。
:
:
「できたよ〜。」
可愛らしい声と共に出されたそれに絶句する。
人参やじゃがいも等の野菜はそのまま、肉は生焼け、黒光りする液体が盛られた皿がそこにはあった。
「何なのだよ、これはっ!?」
「何って、カレーだよ。」
「少なくとも俺の知っているカレーではないのだよっ!」
真ちゃんがツッコむが、さつきちゃんは首をかしげている。
「食べたら意外とおいしいんじゃない?いただきま〜す。」
「よせっ、紫原っ!」
青峰くんが止めようとするが、遅かった。
ばたり、と紫原くんは机に突っ伏してしまう。どうやら気絶しているらしい。
いや、何で?
恐怖を感じ、呆然としていると、
「もう。むっくんたらふざけちゃって。皆も食べてみて!」
と笑顔のさつきちゃんに急かされる。
震えながら隣を見ると、青峰くんが「だから言ったろ?ヤベェんだよ…。」と呟いていた。そして彼はカレーを口にするとそのまま動かなくなる。
だから何で?
「さ、さつきちゃん。私達、手を洗うの忘れてて。ちょっと洗ってくるね。」
「え?うん。」
そう言って3人で退出する。
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年6月22日 13時