【スプレーマムの花束を貴方に】 (ページ21)

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19輪目ページ21

私の声が体育館に響くと、シーンと静まり返る。周りの視線が集中したのが分かった。
言ってしまった…と後悔する。恥ずかしさに俯いていると、

「はははっ。よく言った、亜麻野。」いつの間にか、虹村さんが横に立っていた。

「キャプテン…。すみません、練習の邪魔をして。」
「いーんだよ。それより、お前にはもっとキツイのが必要みたいだな、灰崎ぃ。」
「なっ、ぐぇっ。」
「ちょっとコイツ、しばいてくるわ。おら、さっさと立て！」
そのままキャプテンは灰崎くんを連れて行ってしまった。

その後、恥ずかしさと申し訳無さを感じながらタオルを拾っていると、
「ミケちゃん、手伝うよ！」さつきちゃんが手伝ってくれる。
「さつきちゃん…。ありがとう。」と言うと、彼女は全然大丈夫だと笑ってくれた。

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居残り練習のボール出しをしていると、
「先程は災難だったね、亜麻野。」
と赤司くんに声をかけられる。真ちゃんもやってきていた。

「赤司くん…。本当にごめんね、練習の邪魔をして。」
「何を言っている。寧ろよく言ったのだよ。」
「緑間の言うとおりだ。はっきり言った亜麻野は格好良かったよ。」
2人の言葉に胸が温かくなる。

「2人共…。ふふ、ありがとう。よし、いくらでも練習に付き合うよ！」
切り替えようと明るく言うと、2人は満足そうに笑っていた。

しかし、練習にやって来ては絡んでくる灰崎くんに困らされる未来を私はまだ知らない。