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18輪目 ページ20

放課後、体育館でタオルとドリンクを用意していると、
「ミケちゃ〜ん。」という声と共に頭に手を置かれた。

「なっ、灰崎くん…。どうしてここに?」
「今日から俺もバスケ部なんだよ。」

どうやら途中入部したらしい。しかも入部早々1軍とはかなりの実力があるのだろう。しかし、あまり彼とは関わりたくない。

「そんなことより、こんな練習サボってカラオケにでも行こうぜ。」
「っ、お一人でどうぞ。」
「あれぇ、つれないなぁ。なら、あの可愛い方のマネ、連れて行こうかな。」

手を払い除けて言い放つも、彼はニヤニヤと笑いながら楽しそうにしている。

「…さつきちゃんに変なことしないで下さい。というか、練習しなくていいんですか?」
「はっ、練習なんてしなくてもいーんだよっ…いてっ!」

余裕綽々の彼だったが、いつの間にかこちらに来ていた虹村さんに手刀を食らわせられる。

「いい加減にしろ、灰崎。外周行って来い!」
「はぁ、嫌だけ、ぐぇっ。」
「悪かったな、亜麻野。…ほら、さっさと歩け!」
虹村さんによって締められた彼はそのままズルズルと引っ張られていった。

少し胸がスカッとする。流石はキャプテン。




しかし、キャプテンに締められても尚、灰崎くんはやたらと絡んできた。キャプテンの目を盗みながら。
「ミケちゃ〜ん、ドリンクちょうだい?」
「ほんとにちっこいね、ミケちゃん。」
「部活終わったらゲーセン行こうぜ。」といった風に。

最初は少し怖かったが、ここまで絡まれると恐怖より怒りが湧いてくる。しかも、話すだけならまだしも業務の邪魔をしてくるのだから尚更だ。

「ミケちゃんって、なんか甘い匂いがするんだよなぁ。」
「ひっ!?」
彼が私の首元に顔を寄せながらそう話したため、私は持っていたタオルを落としてしまった。おかげでまた畳むハメになってしまう。

その時、沸点が限界に達した。寧ろここまで我慢した私を褒めてほしい。

「いい加減にしてっ!さっきから何度も何度も…迷惑なのっ!不良だかなんだか知らないけどね、あなたなんか怖くないんだからっ!」

彼を睨み上げながら私は言い放った。

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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年6月22日 13時

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