メカクシ団の副団長さんはキドの姉６ [カゲプロ]

２２４話 ページ25

扉もそこまで多くはない

母子室に牧師部屋、会議室や集会室があった

……残るはひとつ


扉の取っ手に手をかけようとしたが、南京錠がかかっていることに気がついた


どうしよう……ココだけ入れないが、まあいいか……

そこまで入りたかった訳でもないし


くるりと方向を変えて元来た道を帰ろうとすると、驚くことに人がいた

いつの間に入ってきたんだろうか

……俺が気付かなかっただけか？


不思議だったが、この屋敷のことはまだ良くわかっていないし、そんなコトもないわけではないだろう

そのまま外に出ようとすると、その人が話しかけてきた


「あっ、あの！」

『……何だ？』

「ぼ、僕は長嶋健人と言います！ さ、昨日いらっしゃった、ワカバ様ですよね……？」

『そうだが……』

「あ、良かった……！ 特徴が緑髪と聞いたので、きっとそうだと思ったんですが……」

『……用件は？』


このままじゃ世間話に移行しそうだ

俺は手短に話したくて長嶋さん――俺よりは年上そうだった――に言った


「あ、す、すいません。あの……貴女様にお使いしている使用人は、藤本ですね？」

『ああ』

「そ、その……。藤本は、この会社の宗教について、何か言っていませんでしたか……？」

『――いや、なにも？ 所でお前、何なんだ？』


二度目の鋭い質問に、長嶋さんはびくっと驚いた

性格は気弱なのだろう

それから、俺よりも身長が高いのに上目気味な目で見つけてきた



「……立ち話でも何ですし、長椅子に腰かけて話をしませんか……？」



別にそこまですることはない

俺は、二つ返事で返した

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