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216話 ページ17

『……ん、ぅ……あれ……?』



見覚えのない場所だ、とベッドの天蓋を見て一瞬思ってしまった

駄目だな、寝ぼけていた


もう少し寝ていたい……だが、二度寝したっておこしに来るのは藤本さんだ

それは少し嫌だなぁ


まだ冷めきってはいない体を動かして、ふかふかのベッドから下りた



一体今は何時だろうか


部屋の時計に目をやると、6時28分――ほぼ6時半

早くも遅くもなく、という感じだな


着替えはどうしようか……


昨日貰って来たのしかないはずだ



――と、思っていたのだが、ベッドの近くのテーブルの上に置いてあった

一つのメモと一緒に


“もう眠られていたようなので、ココに置かせていただきます。藤本”


『……律儀だな……』



ありがたい、とその着替えを手に取った



着替え終わってまた暇になり、本棚の宗教本の続きを読み始める

昨日読んだ所は、花嫁はどうなってしまうのか、という所



実は結婚式とかそういうことの誓いはせず、花嫁が花嫁衣装を着て愛があればいいのだそうだ

例えその愛が旦那から花嫁へ、花嫁から旦那への一方的なものだとしても


……まあ、俺の愛がなくてもいいことや結婚式とかがないのは助かるな


そして、最後の十人目の花嫁は、神が宿るのだということ



だから他の花嫁よりも優れていなければならない


――ああ、だからあんなに食い下がっていたのか


昔は身だしなみも良く頭も申し分なく行動は品行方正にふるまっていた俺が

父親の会社倒産で無理心中をさせられそうになった妹と共に施設へ行き、それからも家族が二人いなくなり自分たちだけで生活をするという苦労をしていた俺が


まさに最後の花嫁にふさわしかったというわけだ



『…………神だなんて非科学的なもの、存在するのだろうか』

……あんな体験をして、こんな風になってしまった俺が言うことでもないか



息をついて本を閉じた瞬間、トントンとノックがされた

藤本さんだ


「食事です。ワカバ様、お目覚めでしょうか?」

『ああ。入っていい』

「失礼いたします」



ワゴンに食事を載せてやってきた藤本さんは、にこやかにあいさつをして、テーブルに食事を置いた





――うまそうだが、不味そうな……豪華な朝げ

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瑠音 - この作品、凄く面白いです!応援してるよ!本にして売ってほしい位!!!面白いです! (2015年8月11日 21時) (レス) id: 39fc9d8edd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草(プロフ) - 琉空さん» 大丈夫、まだ崩してないから!心配ありがとー。何で遺産くれないのっ!?(( (2014年11月30日 13時) (レス) id: 041b6bfdd4 (このIDを非表示/違反報告)
琉空 - 鈴鐘草さん» 鈴ちゃん、最近寒いから体調崩さないようにね!!更新いつでも待ってるから、頑張れ!!( ´ ▽ ` )ノ遺産はナイケドネ!!← (2014年11月29日 23時) (レス) id: 047d33efae (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草(プロフ) - ☆ハガネ☆さん» 初めましてー、☆ハガネ☆さん!あばばば、読み返していただけるとは…ありがとうございますっ。更新頑張ります。コメントありがとうございました! (2014年11月27日 22時) (レス) id: 041b6bfdd4 (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草(プロフ) - 琉空さん» そうだよ霊長類だよ!www ……え、何をイッテイルノ?(威圧← (2014年11月27日 22時) (レス) id: 041b6bfdd4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴鐘草 | 作成日時:2014年9月17日 20時

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