溺愛される鬼少女③ (ページ5)

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会議後③ ページ5

実弥 side

"私は誰のものにもなりませんけどね"

俺は馬鹿だな。
この言葉を聞いて心臓が破裂しそうになった。

誰のものにもならねぇって事は…

「…そうかよォ」

俺のものにもできねぇよ。

「誰かのものになったら、接吻できませんよ」

そう言って笑うA。

「接吻していいかァ」

「…うん」

小さく頷いたAの顔は少し赤い。
慣れてるくせになァ

そんな反応されたら嫌でも期待するだろ。

「…どうしたの？」

Aから体を離して肩を掴んだまま止まる俺に不思議そうに話しかけてくる。

「なんでもねェよ」

敬語が下手くそな所もよく笑う所も
感情的な所も全部。

好きだ。

「しないんですか～」

人をからかうし。
口も悪い。

「…する」

鬼だけど

「は…ッ」

Aは人間だ。

"はい"と言おうとしたAの唇を自分の唇で優しく塞いだ。
肩を掴む手に力が入るのは今にも溢れ出そうな気持ちを抑えたくて、止めたくて。

「…っさね、み…さぁ」

長くしすぎたせいか息ができなくてなって口を開いたA。

後で何でもするから許してくれェ。

心の中でそう言ってその口の中に舌を入れた。

「…ッ！？」

Aは閉じていた目を開いて驚いてた。
目が合う。

「さ、ねみ…っさ…んん」

苦しそうな顔も愛おしい。

「…ッはあ…すまねぇ」

離れると肩で息をしているA。

「…っはあ、はあ…」

殴られるかもしれねぇけど
俺は後悔してねえ。

ずっと、こうしたかった。

「っはぁ、びっくりしたぁ…」

「…怒んねえのかよォ」

「殴ってほしいですか？」

顔、真っ赤じゃねえか。

「…私が言うのもあれですけど、好きでもない人にそんな事したらだめですよ。舌を入れての接吻で私の力がどうなるかも分からないのに」

「俺は力がほしんじゃねェ」

「…欲求不満？」

何言ってんだこいつ。
間違いなく阿呆だな。

「いったあ！叩かなくていいじゃないですか」

イライラしたんで頭を叩いた。

「何も知らなねぇままでいろ、馬鹿」

それだけ言って屋敷を出た。