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「……A……君はもう……うん……優しくて可愛くて美しくて非の打ち所のない少女だということは前から知っていたけどね……もう少し危機感というものをだね……」
「私より強くなってから言うんだね。」
「そうだった私の妹すんごく強いんだった流石だね!!!我が愛しの天使よ!君はどうしてそんなにも完璧なんだい!?君の頭のてっぺんから足の先、身体の内部に至るまでの全てが完璧すぎる!!暫く見ない間にこんなにも素晴らしい淑女に……!ああ、君のその完璧さが眩しい!」
「兄様は暫く見ないうちにシスコンに磨きがかかったようで何よりです。」
先程とは打って変わり、オーバーなリアクションを取りながら彼女を褒め称える太宰とは裏腹に、彼女は黙々と西洋菓子を食べていた。
「然し、それはそれだよ。良いかいA、それは世間では
「あ、他の方々はいいんですね……」
「ちっとも良くないのだよ谷崎くん!!!百歩譲って森さんと広津さんは許すとして、いや許すといってもちっとも良くないのだけどね!!!然し、私にとって一番納得ならないのは中也だ!!!あの蛞蝓……頭の上から大量の食塩を振りかけてやる!!」
「はいはい、座って座って。」
熱くなって立ち上がった太宰を無理やり座らせて、その口に苺の西洋菓子を突っ込む。太宰は落ち着いた様子でそれをもごもごと咀嚼する。
「別に直接口をつけたわけでもあるまいし。いいじゃない。」
「良くないよ!?私の可愛い可愛いAが蛞蝓に侵食されてしまう……!」
「侵食って……」
「そういえば、Aは中原さんと何処まで進みましたの?あの後進展はあったのかしら?」
「進展なんてあってたまるか……!!A、何も無いね!?何も無いと言いなさい!!!」
「ないと言えばないけど……変わったことはいくつかあるんじゃないかしら?」
「ほんとですの!?詳しく聞かせて!」
ナオミはうきうきとして目を輝かせる。太宰は固まり口から魂でも抜けているかのような表情だ。それを見ていた谷崎は、その気持ちは分からなくもないなぁと、一人苦笑いを零していた。
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Napia - 完結おめでとうございます!! お疲れ様です!! 毎週のように「更新してるかな?」とウキウキしながらみてました!! 番外編も読みますぅ!! (2022年4月26日 16時) (レス) @page37 id: bc58708f8e (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - お疲れ様でした!完結おめでとうございます!ダントツで面白かったです!! (2022年4月23日 19時) (レス) @page36 id: 9e178210e2 (このIDを非表示/違反報告)
クリスタルパワー(プロフ) - 完結おめでとうございます!!いつも更新を楽しみにしてました!番外編があったら楽しみにしてます! (2022年4月23日 19時) (レス) id: 47ef91694a (このIDを非表示/違反報告)
向月葵(プロフ) - 完結おめでとうございます〜!最初の頃からずっと応援していたので、見届けられてほんとに嬉しいですし、めちゃくちゃ面白かったです!番外編も楽しみにしてますね。 (2022年4月23日 19時) (レス) @page36 id: b81c3ee352 (このIDを非表示/違反報告)
Hazuki(プロフ) - 凄く面白いです!15ページの「鼻歌」が「花歌」になっています…間違っていればすいません。これからも更新楽しみにしています!! (2022年4月21日 20時) (レス) @page15 id: 140c609c2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年4月16日 11時