・7 ページ7
やはり彼女は
「これも美味しいですわ!A、一口如何?」
「これも美味しいから、あなたにあげる。」
二人仲良く西洋菓子を
「妹が可愛いよ……どうする谷崎くん……」
「僕にはどうしようもないです……天国ですよ……」
「なるほど……これが死後の世界か……天使様が迎えに……」
「それはちょっと違います。死にたい太宰さんと違って僕まだナオミと生きてたいんで。」
「今日ちょっと辛辣だねどうしたの?」
二人がそん話をしていると、「兄様」とAが声をかける。
「ん〜?なんだい?」
「お食べになる?これ、美味しいわよ。」
そう言って笑みを浮かべながらフォークを向けてくる。それがもう天使のように愛らしくてたまらない。太宰はゆるゆるの頬で「頂こうかな〜」と呟いたあと西洋菓子をぱくりと食べる。その隣では、西洋菓子を次々と口に詰め込まれる谷崎の姿があった。あちらはあちらで大変そうだが助けようとは思わない。触らぬ神に祟りなし。
「うん、美味しいね。Aに食べさせてもらったから何倍も美味しいよ。」
「誰が食べさせても同じよ。」
「処で他の男に同じような事してないよね?」
「お父様や中也さんにはよくやるけど。」
「………ごめんね、兄様今日耳がおかしいみたい。もう一度聞いてよさそう?」
「お父様や中也さんにはよくやるけど。」
「一語一句間違えずにどうもありがとう。」
「あぁ、としちゃんにもするわよ。ルイスくんとか、ヴェルレエヌさんにもやるし安吾さんにも……あ、ついこの前広津さんにも西洋菓子を食べさせてあげたわ!立原くんと芥川くんにもやったわね。」
途端に、太宰は頭を抱えた。突然にブルーなオーラを漂わせるものだから、ナオミはきょとんと首を傾げ、谷崎はどんどんと胸を叩きながら西洋菓子を飲み込んだ。甘いものが渋滞した上色んな味のせいで舌が莫迦になってしまわないだろうか。谷崎からしてみれば、ブルーな太宰よりそっちの方が心配だった。
621人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Napia - 完結おめでとうございます!! お疲れ様です!! 毎週のように「更新してるかな?」とウキウキしながらみてました!! 番外編も読みますぅ!! (2022年4月26日 16時) (レス) @page37 id: bc58708f8e (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - お疲れ様でした!完結おめでとうございます!ダントツで面白かったです!! (2022年4月23日 19時) (レス) @page36 id: 9e178210e2 (このIDを非表示/違反報告)
クリスタルパワー(プロフ) - 完結おめでとうございます!!いつも更新を楽しみにしてました!番外編があったら楽しみにしてます! (2022年4月23日 19時) (レス) id: 47ef91694a (このIDを非表示/違反報告)
向月葵(プロフ) - 完結おめでとうございます〜!最初の頃からずっと応援していたので、見届けられてほんとに嬉しいですし、めちゃくちゃ面白かったです!番外編も楽しみにしてますね。 (2022年4月23日 19時) (レス) @page36 id: b81c3ee352 (このIDを非表示/違反報告)
Hazuki(プロフ) - 凄く面白いです!15ページの「鼻歌」が「花歌」になっています…間違っていればすいません。これからも更新楽しみにしています!! (2022年4月21日 20時) (レス) @page15 id: 140c609c2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年4月16日 11時