検索窓
今日:3 hit、昨日:10 hit、合計:43,610 hit

・4 ページ4

如何にも、な誘い文句だ。彼女はちらりと目の前に立つ二人の男を見ると、その品の無さに溜息をつきそうになる。軽々しく肩に乗せられた手を、彼女はキャペリンハットの下で睨みつけていた。





「ずっと見てたんだよね〜!可愛いなって!どう?用事ないなら俺らの友達も呼んで皆で遊ばない?」

「申し訳ありませんけど、私たち人を待っておりますの。」

「じゃあその友達も一緒でいいからさ!」





誰も友達、だなんて言っていないだろうに。彼女はそう言いたいのをこらえ、むっと男たちを睨むナオミの手を引いて後ろに隠す。





「少々気荒い方々ですので、ここは引いていただけませんでしょうか。」

「あ、そういう感じ?全然!俺ら気にしないよ!」

「てか君、よく見たら目の色左右で違くない?オッドアイってやつ?お姉さんもしかして外国人?」
「お、まじじゃん! 遮光眼鏡(サングラス)で分かんなかった!ね、もうちょいよく見せてよ!」





プライベートなのだからカラーコンタクトをつける必要も無いと思い付けてこなかった彼女だが、やはりつけてくるべきだったと今更後悔する。

彼女は、にこりと笑みを浮かべた。





「えぇ、宜しいですよ。但し………私達の連れがなんというか。」





彼女は小首を傾げた。次の瞬間、男達の肩をそれぞれ掴む手があった。その手はそれぞれ違う人間の手である。





「やぁ、妹に何か用かい?」

「用なら僕らが直接聞きますけど。」





笑顔を浮かべているはずなのに笑っていない、黒いオーラを放つ太宰と、まるで般若のような顔で男を睨みつける谷崎。谷崎はともかく、Aに絡んでいた男は災難だ。何せ、太宰は元ポートマフィアの最年少幹部だ。般若なんて非でもないほど恐ろしいことだろう。現に、男たちは固まってしまっている。





「いやぁ、Aの瞳は確かに美しいからね!君たち見る目があるよ!然し、私の妹に軽々しく触れるのはいただけないねぇ。」

「ナオミはお前たちみたいな不埒な男を相手にしない。さっさと消えてもらおうか。」

「それとも……少し痛い目にあってもらおうかな?」





太宰の目がきゅっと細められる。男たちの身体がぶるりと震え、情けない声を上げながら走り去っていく。

・5→←・3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (201 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
621人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Napia - 完結おめでとうございます!! お疲れ様です!! 毎週のように「更新してるかな?」とウキウキしながらみてました!! 番外編も読みますぅ!! (2022年4月26日 16時) (レス) @page37 id: bc58708f8e (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - お疲れ様でした!完結おめでとうございます!ダントツで面白かったです!! (2022年4月23日 19時) (レス) @page36 id: 9e178210e2 (このIDを非表示/違反報告)
クリスタルパワー(プロフ) - 完結おめでとうございます!!いつも更新を楽しみにしてました!番外編があったら楽しみにしてます! (2022年4月23日 19時) (レス) id: 47ef91694a (このIDを非表示/違反報告)
向月葵(プロフ) - 完結おめでとうございます〜!最初の頃からずっと応援していたので、見届けられてほんとに嬉しいですし、めちゃくちゃ面白かったです!番外編も楽しみにしてますね。 (2022年4月23日 19時) (レス) @page36 id: b81c3ee352 (このIDを非表示/違反報告)
Hazuki(プロフ) - 凄く面白いです!15ページの「鼻歌」が「花歌」になっています…間違っていればすいません。これからも更新楽しみにしています!! (2022年4月21日 20時) (レス) @page15 id: 140c609c2d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年4月16日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。