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｢で、なんの心算？私を助けた上、敵であるにも関わらず拘束すらされていない。私の事嘗めてる？今ここでその女医諸共あんたを殺してもいいんだけど。｣
与謝野の肌が粟立つ。先程まで平然としていたのに、突然に迫ってきた殺気。自分よりもずっと歳下のその少女に、与謝野は恐怖を抱いた。
｢……余計な戦闘はしないと思ってね。武器と見なしたものは全て事務所で預かってある。今のAの実力を測りきれていないからどれだけ戦えるのかは知らないけど、仮に殺意があったとしても最悪の事態は免れる。
そして、何故助けたのか。それは君が私の大事な妹だからだ。この世の何よりもね。｣
妹。この世の何よりも大事な存在。それは太宰の本心だった。与謝野も、今の彼には驚いていた。血相を変えて医務室に飛び込んできたかと思えば、｢この子を直ぐに治療してくれ｣と頭を下げてきた。ヘラヘラとした掴めない男だと思っていたが、大切な存在の一つや二つあったんだと思うと、同じ人間なんだと少し安心できた。
しかし、そんなふたりの心とは裏腹に、彼女は声を上げて笑い始めた。
｢あっははははは！何を巫山戯たことを！莫迦々々しい！｣
腹を抱えて笑ったかと思うと、彼女はベットから飛び降り、太宰の首を絞めながら壁へと押し付けた。そのあまりの速さに、与謝野も太宰も反応することが出来なかった。背中に感じる衝撃と、首への圧迫感で目の前がチカチカする。
｢そんな戯言、今更何になるのさ。寝言は寝てから言いな。｣
｢あんた、今すぐ太宰から離れな！！｣
与謝野が鉈を向けるのと、ほぼ同時だった。彼女は太宰から離れると、与謝野の腕を掴み、グッと体を接近させた。
｢なっ……！｣
｢細い腕ですねぇ、与謝野女医。こんな細腕、それもこんな薄い装備で私に勝てるとお思いですか？オメでたい頭でなにより。｣
｢げほ、げほっ…、｣
急に空気を取り込んだせいか、咳き込む太宰は首元を摩った。強い力だった。自分の知る彼女はこんな力で他人の首を絞めたりしていただろうか。昔より大きくなったとはいえ、あの小さな手で、だ。あぁやはり、4年という時間は思った以上に長かったのだと、改めて感じさせられた瞬間だった。
彼女は与謝野から手を離すと、その鉈を取り上げてぽいっと床に捨てやった。
｢あまり私を嘗めない方がいい。｣
彼女はそう言うと、何事も無かったかのように靴を履いて医務室を出ていった。
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あっきーばか(プロフ) - 初コメ失礼します。志賀くんタイプで性癖です。嫁にください。この作品の推し志賀くんになりました！読んでいてとても面白い作品をありがとうございます‼️更新頑張ってくだせぇ (2022年3月27日 10時) (
レス) @page20 id: 43feeb5241 (このIDを非表示/違反報告)
Sena(プロフ) - 妹系大好きです！太宰さんとすれ違っている感じの夢主ちゃん、気持ちわかる…！！別小説なんですが、おっかな妹とかすっごく好きで！！現在は更新停止になっているようですが、また再開するのを楽しみにしています！！あと！反社とJKも大好きです！応援してます！！！ (2022年2月10日 18時) (レス) id: 61121e16fc (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！夢主ちゃんかっくいいぃぃぃぃぃぃい！もはやこの作品での推し夢主ちゃんかもしれない、、、←更新楽しみにしてます！ (2022年2月10日 2時) (レス) @page46 id: eaf6e1fdb7 (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 花蛸花さんが文スト作品を書いてくれるなんて思ってもいませんでした！しかも太宰さん！嬉しいです！！😭✨更新頑張ってください！！！ (2022年2月2日 11時) (レス) id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2022年2月2日 2時
