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大寿達から離れていく彼らに、蘭は呑気に手を振ると、Aは小さくそれに手を振り返す。あ〜〜俺の
「こんなにも何かに対して吐き気を催したのは初めてだ。」
「義兄さん風邪?だいじょぶそ?」
「てめぇのせいだろ。義兄さんって呼ぶな。」
キリキリと胃が痛む。これがあの灰谷蘭なのだろうかと思うと微妙なところである。今までにも、灰谷兄弟と直接話しをすることなんてほとんどなかった。しかし、今でも交流のある三ツ谷には、後ろからコンクリートブロックで殴り付けてくるし、八戒の顔面を警棒でタコ殴りにしたという話は聞いていた。それでなくてもいい噂は聞かないし、極悪の世代と名がつくのだからろくな奴じゃない。中身だけ入れ替わったのだろうか。
それでなくとも、今のこの男は過去の非でないくらいヤバいやつだということを、大寿は知っていた。もちろん、その隣でタバコを灰皿に押しつぶす明司のことだって。
「明司はともかく……いやともかくじゃねぇけど……なんでてめぇらみてぇな犯罪組織の幹部がAの傍にいんだ。」
「へぇ、詳しいんだな。」
「うちの会社は世界各国に流通したそれなりにデケェ会社だ。その分、それなりに"やべぇヤツら"と繋がりがあることくらいざらにある。デケェ会社を建てるにはそれなりに"裏"の事情を知っとく方が得だろうが。」
つまり、梵天のことは詳しくは知らずとも、誰がトップに立ち、幹部はどんな顔ぶれかまでは知っているということ。ニヤリと口角を上げて笑う大寿に、蘭もまた口角をあげる。
「ぜひその情報を流したクソどもの名前が聞きてぇところだけど、今日は仕事の話しに来たわけじゃねぇからやめとくわ。で、なんで俺がAちゃんの傍にいるか、だっけ?んなの簡単だろ?惚れてるから♡」
恥ずかしげもなくそう言った蘭は、嫌味とも取れる笑みを浮かべていた。その笑みに舌打ちをして、「そうじゃねぇ」と今度は彼らを睨みつけた。
「てめぇらはあいつに何を求めてんだ。あいつの親父は死んだ。警察内部の情報が欲しいんだったら今すぐ諦めろ。」
明司が父親なのは別として、この男が彼女と交際関係にあることに、大寿は裏しか感じていなかった。
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Liezabeth Gillies(プロフ) - 中高生が書くような文章ではなくしっかりとした文才があり安心して作品を楽しめます。ところで、どのような結末になるのでしょうか。着地点はどこに、、? (2021年12月1日 1時) (レス) @page43 id: f20a915395 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白くて一気読みしました!好き!応援してます! (2021年11月10日 19時) (レス) @page22 id: 1f03340a86 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみません、20話の『頭のおかしい練習に囲まれて』は『頭のおかしい連中に囲まれて』の間違いではないですか? (2021年11月8日 3時) (レス) @page20 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
まるきち(プロフ) - 文章力ものすごいのに、ギャグ線強くて好きです♡前編からずっと読んでます!花蛸花さんのペースで頑張ってください💪 (2021年11月7日 12時) (レス) @page21 id: 4a45715550 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - 好き、、なんで、こんな、作品作れるの??え?なんでこんなに、文才あるの?え?神様って不公平だね。てか、神様っているのかな?、、、あ、挨拶が遅れてすみません!結菜です!花蛸花さんの作品好きです!面白すぎて一気見しました!!! (2021年11月4日 18時) (レス) @page18 id: 05b53aed2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年10月30日 2時