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「お前ら落ち着け……はぁ……で、そんな人数引き連れて何の用だ。」
「俺はAちゃん迎えに来ただけ。そしたらこいつらみんなして着いてきやがってさ〜父親として〜とか言って。」
「………父親?」
その時、大寿は疑問を感じた。ここに来る前、今は御井島Aだと彼女に聞いていたからだ。なのに今灰谷蘭は、この中に父親がいる、というような口ぶりだった。灰谷竜胆はまずない。ということは三途か明司のどちらかになるわけだ。その様子に、蘭は「あ、まずった?」と口を抑える。
「………A、お前、今は御井島だって言ってたよな?」
「え、ぁ、う、うん、……うん、御井島……は、とりあえず……源氏名みたいな……?」
「……………本名は?」
「………ぁ、明司A………」
「明司!?お前臣さんの子供なの!?」
引き剥がされて、大寿の左手で宙ぶらりん状態だった槇島が叫ぶと、Aは小さく頷いた。常に何があるか分からないので、日常生活のほとんどで御井島を使っていたわけだが、まさかこんなところでバレるとは思わなかった。
「……まてよ、わざわざ本名使わないってことは……臣さんやっぱりあなたやばい人ですよね!?A!!お前なんで言わないんだ!?」
「話がややこしくなるからお前ら黙ってろ……!」
大寿は更に頭を抱えた。Aの事になると周りが見えなくなるのはいつもの事だが、大事な話をしている時くらい静かにしてほしい。
「勇作、お前案外賢いな。昔から頭は良かったけど。」
「認めたな!?臣さん今認めたな!?」
「……はぁ……お前ら、大事な話すっからあっちいってろ。」
「おらガキども、こっち来い。Aは俺が抱っこしてやろうな♡」
「ふざけんなクソ。俺だよ俺。義兄として当然だろうが。」
「いや、だからお前はどう足掻いても義弟なんだよ。」
「どっちも無しだわ!!!!てか結婚もしてねぇくせに勝手に話進めんなバーーーカ!!!」
宙ぶらりんだった槇島と本庄はやっとこさ地面におりると、直ぐにAを囲むようにして前にたちはだかる。比較的落ち着いてきた久井は「はいはい、ほら行くぞ」と彼らの背中を押した。
正直、得体の知れない男たちと一緒となると不安でしかないが、三途は一応知り合いなので大丈夫だろう。もし何か変な動きをしたら直ぐにぶん殴ってやる、と心の中で物騒な誓いを立てる。
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Liezabeth Gillies(プロフ) - 中高生が書くような文章ではなくしっかりとした文才があり安心して作品を楽しめます。ところで、どのような結末になるのでしょうか。着地点はどこに、、? (2021年12月1日 1時) (レス) @page43 id: f20a915395 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白くて一気読みしました!好き!応援してます! (2021年11月10日 19時) (レス) @page22 id: 1f03340a86 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみません、20話の『頭のおかしい練習に囲まれて』は『頭のおかしい連中に囲まれて』の間違いではないですか? (2021年11月8日 3時) (レス) @page20 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
まるきち(プロフ) - 文章力ものすごいのに、ギャグ線強くて好きです♡前編からずっと読んでます!花蛸花さんのペースで頑張ってください💪 (2021年11月7日 12時) (レス) @page21 id: 4a45715550 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - 好き、、なんで、こんな、作品作れるの??え?なんでこんなに、文才あるの?え?神様って不公平だね。てか、神様っているのかな?、、、あ、挨拶が遅れてすみません!結菜です!花蛸花さんの作品好きです!面白すぎて一気見しました!!! (2021年11月4日 18時) (レス) @page18 id: 05b53aed2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年10月30日 2時