反社(本業)とJK【東リべ】

・21 ページ21

何故だかぼろぼろ泣いている竜胆を泣き止ませて、変えのスーツに着替えて汚れたスーツを紙袋に突っ込んだ。談話室に戻ると、鶴蝶に愚痴を吐いているであろう竜胆が目を冷やしていた。あんだけボロ泣きしてれば目も腫れるわ。





｢ほんと健気で純粋なAちゃんに兄貴なんか押し付けちまってほんと申し訳ないんだよ………周りにはやべぇやつばっかだしさぁ………｣

｢分からんでもないぞ。｣

｢分かるなよ。｣





｢あ、兄貴。｣とタオルから顔を上げた竜胆の目はだいぶ腫れが引いていた。もっと腫れさせてやろうか。





｢押し付けたってなんだよ。俺らは愛し合ってんの。｣

｢あんまりあの子を困らせるなよ。｣

｢困らせてねーよ。多分。｣





言われたい放題の蘭は紙袋を雑にソファーに下ろすと、どかりとソファーに座ってタバコに火をつけた。煙を吐き出してもくもくと上がっていく紫煙を眺めていると、ポケットに入れていたスマホが震える。

今ならどんなスクラップ案件でもこなせそう。なぜなら機嫌がいいから。そんなことを考えながらスマホを開くと、任務の連絡だと思っていたそれは全く違った相手からの連絡だった。





[このお店のパンケーキすごく美味しかったので、今度蘭さんも行きましょう！]





可愛らしい文章と共に送られて来た写真には、友達と4人で写る笑顔のAの姿があった。あれ以来何度か会う機会があった友人たちは、今は最初ほどの警戒はないものの未だに警戒心むき出しだった。特に本庄が。しかし、そこに写る友人たちは年相応の笑顔を浮かべながら、各々が注文した所謂映えるようなパンケーキを食べていた。しかし、そんなことより彼女(ヨメ)が可愛い。





｢くそ可愛いな。｣

｢Aが可愛いなんてあたりめぇだわ頭沸いてんのかカス！！｣

｢なんでAちゃんって分かるんだよ気色悪ぃな。｣

｢兄貴が可愛いって褒めるのなんてAちゃんかレオくらいのもんだろ。｣

｢竜胆の事も可愛がってやってんだろ〜が♡｣





｢てか見ろよ｣と今さっき送られてきた写真を見せるようにスマホを向けると、三途は顔を覆って竜胆はさらに涙を流し、鶴蝶は頭を抱えた。





｢俺の姪が……！がんわ"いい"！！！！｣

｢こんな日くらい兄貴のこと忘れて楽しめよぉ〜……くそぉ……｣

｢パンケーキでこんな笑顔に……沢山食べろよ……｣

｢鶴蝶は誰目線なわけ？｣

・22→←・20

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す