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「……俺、マイキー。」
「私、エマ!」
同じくらいの目線までしゃがむエマとは対照的に、万次郎はエマの後ろからAを見下ろしていた。Aはエマと万次郎を交互に見つめたあと、またにぱにぱと頬を緩めた。
「あいきっ!えあ!」
小さな手をグッと伸ばして、その手を交互に彼らに伸ばす。指をさしながら、確認するかのように名前を呼んでいるのだろう。マイキーもエマもしっかりと発音できていないその幼さには、確かに守ってあげたくなる可愛さがあった。
エマは「可愛い〜!」なんて大はしゃぎでAに抱きついて頬をすりすりと寄せた。Aは怖がることもなく、きゃっきゃと喜んでいた。
「お、もう仲良しさんか〜やっぱ子供って仲良くなんのはえーな〜」
「そういやお前、最近どうなの。仕事とか。」
「んまぁ、ぼちぼち。まだ下っ端だし雑務ばっかだわ。」
二人が仕事の話で盛り上がっているすぐしたでは、エマとAがじゃれ合い、その横でAの小さな手をにぎにぎと握りながら遊ぶ万次郎の姿があった。
小さくて柔らかいて。もちもちしていてまるで餅だ。体も小さいしても小さい。何もかもが小さい。この子は守ってやる対象なんだな。万次郎はそう感じた。
「あいきっ!えあ!」
「マイキーな。」
「エマだよ!」
「あっき?えあ?」
「……ま、いっか。あっきだよ〜」
そのうち呼べるようになるだろう、と諦めた万次郎は、エマとは反対の頬にすりすりと頬を擦り寄せた。足元でじゃれ合う弟たちを見て、兄二人はにまにまと嬉しそうに笑っていた。
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鈴(プロフ) - 続編おめでとうございます!! (2021年10月30日 10時) (レス) @page10 id: df5b843723 (このIDを非表示/違反報告)
りく - 文章の構成などもお上手で先が読みたくなってしまいました。応援しています! (2021年10月20日 14時) (レス) @page22 id: cb6ced8fcf (このIDを非表示/違反報告)
五条悟(プロフ) - なんかこのまま嬉々として蘭ちゃんが梵天に笑顔で入れそうだな。レオ君と共に (2021年10月16日 6時) (レス) @page4 id: e4f8a98264 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!これからも更新頑張って下さい(^^) (2021年10月16日 4時) (レス) @page4 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも楽しく読ませていただきます! (2021年10月16日 2時) (レス) @page2 id: 530da25b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年10月16日 2時